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家康の天下取り

著:加来 耕三

紙版

内容紹介

関ヶ原の当日、家康が率いた徳川軍(東軍)は主力=徳川の正規軍ではなく、
ついに合戦に間に合わなかった、後継者・秀忠の率いる別働隊こそが主力であった、と筆者は考えてきた。
併せて、この秀忠軍は最初から、決戦に参加する意思はなかったのではあるまいか、とも疑ってきた。

改めて考察すると、不思議な決戦であった。
大義名分をはじめ地の利、兵力、経済力にいたるまで、ことごとくに優越していたはずの西軍は、どうして家康に敗れたのであろうか。
本書ではその答えを求め、同時に日本型指導力(リーダーシップ)についても考察した。
(「はじめに」より)

目次

刊行に寄せて
はじめに
関ヶ原の合戦分布図
序章 関ヶ原に家康のすべてがある
 誤解される家康
 徳川家代々の”血”
 松平家を凌駕していた酒井家
 家康の凄味は”素知らぬ体”
 「徳川どのは惨いことはしなさらぬ」
 家康が創り上げた日本人
第一章 生き残りのみを考えて
 「三河気質」
 家康の”桶狭間”
 家康流・信州奪取の法
 河尻秀隆との駆け引き
 大国北条の致命的欠点
 家康、大国北条に勝利す
 秀吉と戦うべきか
 織田信雄という人
 秀吉対家康の外交戦
 小牧・長久手の戦い
 秀吉と家康の差異
 小牧・長久手の後半戦
 秀吉の胸中
 蒲生氏郷という人物
第二章 ”現実主義”に徹した戦い
 戦略と戦術の相違
 家康の江戸移封
 江戸経営と「小田原誇り」
 北条氏の錯覚は上杉謙信
 小田原征伐
 家康の受けた衝撃
 石川数正の出奔
 大国の神経と家康の情念
 家康の領国経営
 家康包囲網
 真の律義者・氏郷と三成
第三章 家康の鬱屈した情念
 葬儀のなかった秀吉
 脆弱きわまる政権
 秀吉が策した権威づけ
 石田三成の密命
 三成、出世の糸口
 近江出身の武将・藤堂高虎
 海外で求められた豊臣家への忠誠心
 加藤清正と石田三成
 清正と小西行長の行動様式
 朝鮮出兵始末
 五大老・五奉行体制
 十人衆の矛盾
 秀吉と前田利家の”友情”
 汚名を残さなかった理由
第四章 秀吉亡きあとの政権
 ”感情”という生きもの
 動きはじめた家康
 利家死す
 家康・三成会談
 善人から悪人へ
 家康の恫喝
 嵐の前
 学問は”真似ぶ”から
 利害打算と治国平天下
 兼続の「直江状」
 二者択一を迫られた人々
 家康の出征と宇喜多秀家
 家康の攻勢、三成の不利
 大谷吉継の荷担
 縦横学の達人・恵瓊
 宣戦布告
第五章 ”天下分け目”の戦い
 西軍の作戦要綱
 崩れる「五奉行」の足並み
 三成の思惑違い
 本性からの涙
 三成の定めた関ヶ原
 家康の誤算
 福島正則への根回し
 小山評定
 山内一豊の発言
 三成の秘策
 恵瓊と吉川広家
 家康の密約
 家康、江戸発向
 関ヶ原に集結した諸将
 関ヶ原へ、西軍動く
 決戦
 勝敗を分けたもの
終章 日本人最多の典型
 関ヶ原の戦後
 家康の論功行賞
 大久保家の三河者魂
 シェイクスピア、セルバンテス、そして家康
 

著者略歴

著:加来 耕三
歴史家・作家。1958年大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科卒。同大学文学部研究員を経て、著述活動に入る。現在は大学・企業の講師をつとめながら、テレビ・ラジオの番組監修、出演など多方面で活躍している。2018年歴史研究会「歴史大賞功労賞」を受賞。
主な著書に、『明治維新の理念をカタチにした 前島密の構想力』(つちや書店)、『日本史を変えた偉人たちが教える 3秒で相手を動かす技術』(PHP研究所)、『鎌倉幕府誕生と中世の真相 歴史の失敗学2 ―― 変革期の混沌と光明』(日経BP)、『読むだけで強くなる 武道家の金言』(さくら舎)、『日本史に学ぶ リーダーが嫌になった時に読む本』(クロスメディア・パブリッシング)、『戦国武将学 歴史に学び未来を読む』(松柏社)ほか多数。
現在、BS11「偉人・素顔の履歴書」(毎週土曜夜8時)、BS‐TBS「関口宏の一番新しい中世史」(毎週土曜昼12時)に出演中。

ISBN:9784806917953
出版社:つちや書店
判型:4-6
ページ数:400ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB