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僕が肉を食べなくなったわけ

動物との付き合い方から見えてくる僕たちの未来

著:ヘンリー・マンス
編:三木直子

紙版

内容紹介

タイムズ紙「今年(2021年)のベストブック」選出!

人間とすべての生き物の関係を、
畜産・食肉業、レストラン、漁業者、ハンター斡旋業者、
動物園経営者など動物と関わる多様な分野の人々への取材を通じて考える。
アニマルライツ、疫学、生態系保全の視点も踏まえた21世紀の非・肉食論。

英国で大きな反響を呼んだリポート。

目次

イントロダクション
僕の動物愛テスト
人間以外の、意識を持った生き物
子どもの世界は動物だらけ
発見と希望の物語――動物愛護の倫理と環境保護主義の融合

1 人間と動物の歴史
紀元前から20世紀までの動物観
変わりつつある世界と意識

PART1 動物を殺す

2 屠殺場のルール
調査の始まり
ヒツジとブタの屠殺場
現代的工場畜産
家畜化が変えた生物学的特徴
ミート・パラドックス
酪農家フィンレイの実験
採卵鶏の雄をどうするか
ポジティブ・ウェルフェア

3 肉のない世界
ヴィーガン・レストラン
流行を超えるヴィーガニズム
幹細胞肉の可能性
植物由来肉の時代がやって来る
工場畜産の経済的破綻――ファッション業界と動物
実践可能な食生活

4 損をするのはいつも海
ニジマス釣り体験
混獲と乱獲
魚たちの感覚と思考
漁業という文化
魚とタコの養殖
安心して食べられるシーフード、二枚貝
動物実験を考える
漁業が存在しない世界への道

5 サイコパスの休暇旅行
『バンビ』と現実のシカ問題
シカ狩り
狩猟に関する倫理の変遷
人はなぜ狩りをするのか
生態系のバランスを保つ
トロフィーハンターと地域経済
各国の狩猟事情
動物を支配していることを受け入れる

PART2 動物を愛す

6 歴史の方舟
動物園をなくしたい理由
啓蒙主義と動物園
スペースが足りない
種の保全に果たす役割
動物の人権
人間による支配の限界

7 あるのは足跡だけ
広がる農地、減る生息地
ハーフ・アース――地球の半分を自然保護のために
捕食動物の隣で暮らす人々の悩み
イギリスで広がる再野生化
変化に適応できない生き物を救う
動物を愛する一人ひとりができること
抗議行動を起こす人々

8 問題は犬じゃない
ペットという存在
現代の犬事情
人間の献身と欲望
輸入される野生動物
ネイティブアメリカンのコンドル再導入
身近な動物に目を向ける

9 人間は神か
技術の発展がもたらすもの
動物の言葉を解読する
遺伝子編集で苦しみを取り除く
動物のコントロール――現実的なやり方を探る
人新世の動物愛
必要なのは自制心

結論 美女と野獣
庭の池の野生
採卵鶏と過ごした二か月間
動物に対する新たな価値観
人獣共通感染症が示したもの

動物の愛し方
訳者あとがき
参照文献
索引

著者略歴

著:ヘンリー・マンス
『フィナンシャル・タイムズ』紙の特集記事責任者として、主に長編記事を担当している。
2017 年のブリティッシュ・プレス・アワードで最優秀インタビュアーに選ばれ、
BBC のラジオ番組やテレビのニュース番組にも頻繁に登場するほか、
CNN とPBS にも出演している。
妻と2人の娘とともにロンドン在住。本書はマンスの初の著作である。
編:三木直子
東京生まれ。国際基督教大学教養学部語学科卒業。
外資系広告代理店のテレビコマーシャル・プロデューサーを経て、1997 年に独立。
訳書に『CBD のすべて 健康とウェルビーイングのための医療大麻ガイド』(晶文社)、
『アクティブ・ホープ』(春秋社)、『コケの自然誌』『錆と人間 ビール缶から戦艦まで』
『植物と叡智の守り人 ネイティブアメリカンの植物学者が語る科学・癒し・伝承』
『英国貴族、領地を野生に戻す 野生動物の復活と自然の大遷移』(以上、築地書館)、他多数。

ISBN:9784806716563
出版社:築地書館
判型:4-6
ページ数:464ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDX