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感じる花

薬効・芸術・ダーウィンの庭

著:スティーブン・バックマン
訳:片岡 夏実

紙版

内容紹介

なぜ人は花を愛でるのか?
花の味や香りは人の暮らしをどのように彩ってきたのか? 
太古の時代から続く芸術や文学の重要なモチーフとしての花の姿から、
グルメや香水など人の娯楽、遺伝子研究や医療での利用まで、
花をめぐる文化と科学のすべてがわかる。

目次

訳者まえがき
第1部 花の味と香り
第1章 花を食べる
そもそもなぜ花を食べるのか?/アザミとローマのケッパー/フレーバーウォーターとデザート/花の料理──メインコース、デザート、飲み物/砂糖漬けの花/食べられる花ベスト一〇/食べてはいけない──避けるべき花/下ごしらえ/熱い湯の中の花──花茶/花で生活に刺激を──サフランとクローブ/花からハチへ、そして人へ──蜂蜜/蜂蜜のいろいろ/世界一の蜂蜜/花粉──ミツバチにとっての完全食は人間にも有効か?

第2章 嗅覚の芸術
目覚めの香水/腐臭から天上の香りまで/この芳しき世界/古代世界の香水/古代エジプト──香水、軟膏、化粧品原料としての花/花を原料とする香水の普及/香りの抽出方法/香水の音楽/調香師──業界の鼻と調合台/香水の名品と定番

第2部 文学・美術・神話の中の花
第3章 秘密の花の言葉
生きている記念品/自分の言葉を身につける──個人のしるしとしての花/文化的メッセージとしての花の贈り物/国および州の紋章としての花/アメリカの国花は何?/看板よりブルーボネットを

第4章 ページの上の花
アンソロジーの語源/オウィディウスの庭/煉獄の花/花開くソネット/バラに挑むラッパスイセン/詩に書かれた英国庭園/グリムの花/アジアの伝統/バラの夏

第5章 花の力――美術における花の意味
芸術に描かれた最古の花/ルネサンス芸術と花/花の絵とオランダの静物画/間違い探し/ラファエル前派/花とモダニズム/ポップアートの中の花/歴史的な写真芸術と花/現代芸術写真の花とフラットベッド・スキャン/通商と花――コインと紙幣と切手/花をアレンジする技術/ヨーロッパのフラワーアレンジメント/彩色写本/タペストリーと絨毯/陶磁器/スキャナーと3Dプリント/ガラスのアート/花譜の隆盛

第3部 科学と医療に貢献する花
第6章 花と科学者
花と大陸移動/ネヘミア・グルー、キューピッド役を務める/エンドウの花と修道士/ダーウィンと庭の小径/風洞の花/花の香りを捕まえる/ハチは花をどう見ているか/花を操作してハチをだます/造花とマルハナバチ/証言する花――花粉と犯罪捜査/花の匂いを感じるメカニズム――分子の適合と共鳴/ハチの研究と匂い

第7章 身体と心を癒す花の効能
バイオフィリア――自然への愛と依存/身体を癒す花/歴史上の薬草医からの助言/蜂蜜療法/自然の景色が持つ癒しの効果/香りの作用/花の香りは気分を変える?/花は人を微笑ませる/人間と花の共進化――主導権はどちらにあるか/消えゆく花/人間は自然を癒せるか?

付録1 花料理の特選レシピ
付録2 野草と花粉媒介動物保護団体のオンライン情報源

註・参考文献
写真クレジット
事項・生物名索引

著者略歴

著:スティーブン・バックマン
スティーブン・バックマン(Stephen Buchmann)
アメリカ、アリゾナ州在住。アリゾナ大学生命科学学部昆虫学・生態学・進化生物学の兼任教授で、ミツバチを専門とする受粉生態学者。ロンドン・リンネ協会フェロー。著書に『The Forgotten Pollinators(忘れられた受粉媒介者)』『Honey Bees(ミツバチ)』など多数。
訳:片岡 夏実
片岡夏実(かたおか・なつみ)
1964 年神奈川県生まれ。
主な訳書に、デイビッド・モントゴメリー『土の文明史』、トーマス・D・シーリー『ミツバチの会議』、デイビッド・ウォルトナー= テーブズ『排泄物と文明』、スティーブン・R・パルンビ+アンソニー・R・パルンビ『海の極限生物』(以上、築地書館)、ジュリアン・クリブ『90 億人の食糧問題』、セス・フレッチャー『瓶詰めのエネルギー』(以上、シーエムシー出版)など。

ISBN:9784806715436
出版社:築地書館
判型:4-6
ページ数:200ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2017年08月
発売日:2017年08月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WMPC