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現代産業選書企業法務シリーズ

事例に学ぶ企業と従業員の犯罪 予防・対応チェックポイント

著:中村 和洋
著:大西 隆司
著:佐々木 和弘

紙版

内容紹介

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ビジネスの場面で想定される犯罪の具体的な事例と回答
チェックポイントによる要点の整理と詳しい解説!
これを知らなければあなたも犯罪者に!
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 近年、食品の偽装表示や異物混入、粉飾決算等の企業不祥事に対する世間一般の見方は非常に厳しくなっています。また、会社の上層部のみならず従業員個人の不祥事であっても、企業倫理に違反するもの、ましてや刑事事件となる場合は、その対応を誤ると企業の存続まで危うくしかねません。

 企業関係者が何らかの刑罰法令に違反する場面は多種多様なものがあり、決して他人事ではありません。経営者や従業員の不注意や法律知識の欠如などにより刑事事件のリスクが発生してしまう可能性も大いに考えられます。

 本書は、従業員の管理やビジネスの場における具体的な場面を想定した事例と端的な回答により、企業や従業員が関わる犯罪の予防とその対応への理解を深めて頂けます。また、事例における論点をチェックポイントにまとめてわかりやすく整理し、従業員への処分のあり方や、刑事処分の内容について解説しております。その他に、「外れ馬券裁判」等の著者弁護士らが実際に担当した事例を交えたコラムを収載しております。

 それぞれの事例を、企業法務が専門の弁護士、元検事として経済犯罪の捜査・公判や刑事弁護に関わってきた弁護士が分担して執筆することにより、より実態に沿った、深い内容となっております。

目次

第1章 従業員に関わる犯罪
1 従業員が暴力沙汰を起こした[暴行・傷害]
2 従業員が情報を持ち出した[窃盗]
3 従業員が顧客から預かった金を使い込んだ[業務上横領]
4 従業員が会社の金をだまし取った/従業員が通勤・家族手当を不正受給していた[詐欺]
5 従業員がネットで他社のネガティブ情報を流してしまった[名誉毀損]
6 顧客リストを転職先に持ち出したい[営業秘密の漏洩]
7 社員が積荷を落下させ、死亡事故を起こした[交通犯罪]
8 従業員が痴漢・盗撮をした[痴漢・盗撮]
9 従業員が薬物犯罪に巻き込まれないために[薬物犯罪]
10 辞める社員の未払い残業代、有給休暇の買い取り[違法残業等労働法規違反]
11 上司が部下を怒鳴り散らしている[パワハラと犯罪]
12 部下の女性の身体を触ってしまった[セクハラと犯罪]
13 社内破局のカップル、一方が復縁を迫っている[ストーカー犯罪]
14 懇親旅行の賭け麻雀、賭けゴルフ[賭博]
コラム1 馬券裁判について

第2章 事業に関わる犯罪
15 盗品を買い取ってしまった[盗品等有償譲り受け]
16 会社の資金を運用して損失を出した[背任・特別背任]
コラム2 企業の内部調査について
17 取引先の株。情報聞いちゃったけど売ってもいいの?[インサイダー取引]
18 売り上げを前倒しで計上してしまった[粉飾決算]
19 公務員に食事やプレゼントはダメなの?[贈収賄]
20 双子の弟の名前で交通違反切符にサインした/虚偽の内容の不動産登記をした
[私文書偽造・公正証書原本不実記載]
21 銀行システムの借金データを書き換えた/他人のSNSにログイン
[電子計算機使用詐欺、不正アクセス]
22 従業員に支持者の選挙運動を手伝わせる[公職選挙法違反]
23 許可を取って使った歌手の動画に作曲家からのクレームがきた[著作権法違反]
24 北海道産の和牛を松阪牛と表示して販売した[虚偽表示(食品偽装)]
コラム3 マスコミ対応について
25 従業員が他社と談合したことが判明[談合・カルテル]
26 売掛金回収のため取引先の車を強制転売/支払い督促のために脅す
[債権回収と犯罪]
27 差押えに備えて預金を現金化する[強制執行妨害目的財産損壊等]
28 脱税した法人税を納めても罪?[脱税]
コラム4 日本版司法取引について
29 廃棄物処理は業者任せにしない[廃棄物処理法違反]
30 留学生をうっかり働かせ過ぎた[不法就労助長]
31 預かった子供がけが/死亡してしまった[業務上過失致死傷(施設での事故)]
32 マンション郵便受けのチラシ配り[住居侵入]
コラム5 塀の上に立っただけで建造物侵入罪になる?

第3章 犯罪被害を受けた時の対応
33 告訴をしたい[告訴]
34 悪質クレーマー、高額おしぼり[暴力団等に対する対応、悪質クレーマー対応]
コラム6 暴力団組長の使用者責任について
35 店舗への嫌がらせの張り紙[業務妨害]
36 ネットへの嫌がらせの書き込み[信用毀損]
37 ポストに『火の用心』のハガキが入っていた[脅迫・恐喝]

第4章 犯罪予防と対応のための刑事手続入門
争いのある事件と刑事手続
コラム7 保釈制度
争いのない刑事事件への対応(実践編)
コラム8 容疑者と被疑者、被告と被告人、送検と送致
コラム9 情状弁護と反省文
コラム10 公判日のスケジュール

著者略歴

著:中村 和洋
【主な職歴等】
1997年、検事任官。東京地方検察庁、大阪地方検察庁、奈良地方検察庁、神戸地方検察庁、大阪法務局訟務部等を経て、2007年3月検事退官。同年6月、弁護士登録。2012年9月、中村和洋法律事務所設立(2013年12月より弁護士法人)。福知山市職員不祥事外部検討委員会委員長(2008年)、大津市職員不祥事防止対策検討委員会委員長(2013年~2014年)。

【所属委員会等】
大阪弁護士会民事介入暴力及び弁護士業務妨害対策委員会、租税訴訟学会、日本税法学会
著:大西 隆司
2006年弁護士登録。約5年半企業法務専門事務所にて勤務し、契約書作成業務、企業に関する相談業務、労働事件、M&A案件、再生案件、民事・商事事件に関わる。2012年2月、予防・戦略法務を取り入れて解決を図る、なにわ法律事務所を開設。以後、同事務所代表弁護士としてコンプライアンス・労働法務を含む企業法務の対応や資産承継に関する相談・対応業務にあたる他、大学非常勤講師、ラジオパーソナリティ等を務める。大阪産業創造館経営相談室「あきないえーど」経営サポーター(2012年4月~2015年3月、2016年~)。
著:佐々木 和弘
 大学卒業後、不動産会社に勤務。その後、司法試験受験を決意し退職。法科大学法科大学院を経て、新司法試験合格。2009年12月弁護士登録。約4年間、勤務弁護士として刑事事件から一般民事事件、企業法務に関する事件など多岐にわたる事件を取り扱う。
 その後、2014年4月に根岸法律事務所に合流し、根岸・佐々木法律事務所を設立。依頼者と二人三脚をモットーに、丁寧な説明を心掛けより良い解決を目指した弁護士活動を展開している。
 尼崎商工会議所主催の債権回収セミナーの講師を務めたり(2015年3月)、安愚楽牧場被害者救済弁護団や労働判例研究会の活動に参加し、日々研鑽を積んでいる。

ISBN:9784806529880
出版社:経済産業調査会
判型:A5
ページ数:248ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2016年12月
発売日:2016年12月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ