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現代産業選書知的財産実務シリーズ

種苗法の概要

著:渋谷 達紀

紙版

内容紹介

種苗法は、我々の生活に多くの恩恵をもたらしている。たとえば日本各地の銘柄米、沢山の種類の甘いいちご、品質のそろった野菜などは、同法がそれらの新品種を保護してきたことの賜物である。数十年前までは、果物や野菜には当たりはずれがあるものと決まっていた。 

本書は、その種苗法の概要を体系的に説明したものである。同法について体系的知識を身に付けておくことは、新品種の育成に携わる者や、品種の利用者にとって重要なことである。

また、新品種の保護は、農林水産行政の一環として行われている。権利の侵害事件が起こると、農林水産省の職員である品種保護Gメンの活動などにより、関係者の間で法の解釈が争われるまでもなく、勝負がついてしまうようなところがある。しかし、体系的に考察してみると、様々な法律問題が十分に検討されないまま残されていることが判る。同法に法的考察の光を当てたことも、本書の意義の1つである。

法律家が著した種苗法初の体系書、新品種に携わる全ての方の座右の書として活用下さい。

目次

第1章 法の沿革
1 前史
2 農産種苗法
3 UPOV条約
4 旧種苗法
5 1991年UPOV条約
6 現行種苗法

第2章 農林水産植物の品種
1 農林水産植物
2 品種
3 重要な形質
4 特性
5 繁殖

第3章 登録要件
1 総説
2 区別性
3 未譲渡性
4 均一性
5 安定性
6 名称の付与

第4章 育成者権の取得
1 出願
2 出願公表
3 優先権の主張
4 審査
5 品種登録
6 登録料の納付
7 不服の申立

第5章 出願拒絶
1 拒絶理由
2 拒絶処分
3 不服の申立

第6章 育成者権の帰属
1 帰属者
2 職務育成品種
3 冒認出願
4 外国人の権利の享有

第7章 育成者権の侵害
1 侵害行為
2 侵害品種
3 権利の行使

第8章 育成者権の制限
1 私的かつ非商業的な利用
2 新品種の育成その他の試験研究のための利用
3 特許に係る方法により育成された品種の利用
4 農業者による自家増殖
5 専用利用権者の専有範囲内における利用
6 権利の消尽

第9章 育成者権の変動
1 総説
2 移転
3 放棄
4 処分の制限
5 質権の設定

第10章 利用権
1 専用利用権
2 通常利用権
3 法定通常利用権
4 裁定通常利用権

第11章 品種登録の取消
1 総説
2 取消事由
3 手続

第12章 種苗の流通の適正化
1 総説
2 名称使用義務・名称使用避止義務
3 品種登録表示の使用努力義務
4 虚偽表示の禁止
5 指定種苗制度
6 林業種苗法

資料1 参考判例

資料2 品種登録例

資料3 法令

ISBN:9784806529446
出版社:経済産業調査会
判型:A5
ページ数:340ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2014年07月
発売日:2014年07月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TVK