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拈自己抄

著:内山 興正

紙版

内容紹介

「必死に生きたいのに、死なねばならぬ」という「絶対矛盾の狭間に生きる自己」をどうするか。この「いのちの根本問題」を、道元・沢木興道の禅仏教とキリスト教に問い続けて、86年を生き抜いた、内山老師の畢生作。機関紙に連載されたものの初めての単行本化!!

《本書より》

◇ 拈自己とは「すべてを自己の問題として取り扱う」ということ。

◇ 何を取りあげても自己でないものはない。誰と出会い何と出会っても、それを「自己のいのちの中味内容として出会う」のです。道元禅師はこれを「拈百草は拈自己なり、拈万木は拈自己なり」といわれました。

◇ 神の天地創造も、神が過去この世を創造し終わったという話なら、もはや宗教の話ではありません。どこまでもこの私において、じかに直接的に行われている事実として受け取ればこそ宗教の話になります。

目次

前 編
第一回 ◆ 「御いのち抄」のこと
第二回 ◆ 仏教における自己の系譜
第三回 ◆ 現代における拈自己
第四回 ◆ 語り口の問題
第五回 ◆ 坐禅の中味
第六回 ◆ 一口 根本仏教(一)
第七回 ◆ 一口 根本仏教(二)
第八回 ◆ 一口 根本仏教教学史(一)
第九回 ◆ 一口 根本仏教教学史(二)
第十回 ◆ 一口 法華経(一)
第十一回 ◆ 一口 法華経(二)
第十二回 ◆ 一生の生き方の語る言葉

後 編
第一回 ◆ 宗教の根本問題
第二回 ◆ 宗教以前と権威づけ
第三回 ◆ 宗教の堕落
第四回 ◆ 一口 モーゼの宗教(一)
第五回 ◆ 一口 モーセの宗教(二)
第六回 ◆ 拈自己としてのキリスト教
第七回 ◆ 二つでない一である神(一)
第八回 ◆ 二つでない一である神(二)
第九回 ◆ 坐禅と念仏 誓願と信心
第十回 ◆ 当為の矛盾
第十一回 ◆ 生のいのち(一)
第十二回 ◆ 生のいのち(二)

拈自己抄─結着編

第一回 ◆ 来るべき真の宗教時代を開くために
第二回 ◆ 普遍の道
第三回 ◆ 永遠の道
最終回 ◆ 息づき生きる
 連載あとがき
 あとがき―櫛谷 宗則

著者略歴

著:内山 興正
明治45年、東京に生まれる。早稲田大学西洋哲学科を卒業、さらに2年間同大学院に在籍後、宮崎公教神学校教師となる。昭和16年、澤木興道老師について出家得度。以来坐禅修行一筋に生き、昭和40年、澤木老師遷化の後は、安泰寺堂頭として10年間弟子の育成と坐禅の普及に努める。平成10年3月13日、示寂。
著作は数多く、英・独・仏・伊語などにも訳されている。
主著に『正法眼蔵―生死を味わう』『正法眼蔵―現成公案・摩詞般若波羅蜜を味わう』『坐禅の意味と実際―生命の実物を生きる』『正法眼蔵―行仏威儀を味わう』『正法眼蔵―仏性を味わう』『観音経・十句観音経を味わう』『内山興正老師 いのちの問答』(以上、大法輪閣)『進みと安らい』(サンガ)など。

ISBN:9784804614205
出版社:大法輪閣
判型:4-6
ページ数:244ページ
定価:2100円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB