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広告的知のアルケオロジー

著:岡本 慶一

紙版

内容紹介

広告が面白かった時代、そこには「うそ」と「笑い」、そしてなによりも「物語」があった――TwitterやFacebook、SNSなどの普及によって激変する市場経済のなかで、広告文化のアイデンティティを探ることによって、新たなマーケティングの可能性を追究する《Re広告文化論》!

目次

第1章 広告業創業者にみる「いかがわしさ」の系譜
    忘れられた創業者──権藤震二
    電通の文化的遺伝子──日向輝武・きむ子と光永星郎
    獄中に生まれた友情──博報堂・瀬木博尚と宮武外骨

第2章 江戸の文化的遺産と周縁的な知
    広告における周縁的知の活力
    広告と「遊戯」の文化的伝統──鵜月洋『広告文の歴史』から

第3章 都市生活文化の演出とデザイン
    小林一三の広告的知のカタチ
    明治・大正期 三越周辺の広告的知のネットワーク──高橋箒庵を中心に

第4章 広告と虚構、ウソ、語りの文化
    技芸としてのウソ──柳田國男『不幸なる芸術・笑いの本願』をめぐって
    語り・笑いの文化としての広告

第5章 生産の論理から文化の論理へ
    広告業はシンボル開発業──山本明『価値転轍器:シンボルとしての広告』を中心に
    チンドン屋は何故消えたのか?

第6章 広告は無償の贈与
    贈りものとお返しの慣行──ボードリヤール『物の体系』をめぐって
    サンタクロースの論理

第7章 トリックスターと周縁的ネットワーク
    広告人=流れ者論──山本武利・津金澤聰廣『日本の広告──人・時代・表現』から
    売文社・宮武外骨・三越

第8章 神話・挑発・文化流行と広告
    文化的イコンとしてのブランド──マクラッケン『文化と消費とシンボルと』を中心に
    マーケティーズ(marketease)理論

第9章 細部への視線、「兆候」を読むチカラ
    広告的知の可能性──今和次郎『考現学入門』に学ぶ
    推理する能力・文化を読む

第10章 文化と広告・マーケティング
    「文化」の時代へ:問題の背景と問題への基本的視点   
    価値の源泉からみたマーケティング・コンセプトの類型化  
    物語・社会・文化志向のマーケティング

第11章 広告ビジネスの構造変化と広告人の資質
    知識経営の課題──〈鬼十則〉と企業文化
    実践知としての広告的知

謝辞
主な参考文献

著者略歴

著:岡本 慶一
1949年東京生まれ。72年、東京都立大学人文学部卒、同年㈱電通入社。マーケティング局にて消費者調査、クライアント企業のマーケティング・コミュニケーション作業に携わる。91年㈱電通総研に出向。「企業価値」をテーマに日本企業の組織文化変革プログラム作成。また同社のオピニオン誌「BY LINE」編集長を務める。94年、㈱電通インフォメーション・テクノロジーセンター部長兼R&Dディレクター。99年、組織改革によりR&D局部長。この間、神戸市外大国際関係学部講師、早稲田大学大学院商学研究科客員教授を務める。02年㈱電通退社。同年4月より富士大学経営学部教授。2017年5月没。

ISBN:9784803803440
出版社:田畑書店
判型:4-6
ページ数:296ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJS