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オシムの遺産(レガシー) 彼らに授けたもうひとつの言葉

著:島沢 優子

紙版

内容紹介

この世を去って1年が経とうとしている。2003年から2007年という短い時間ながら、日本サッカーの発展に多大な影響を与えたイビチャ・オシム(享年80)。ジェフユナイテッド市原・千葉をJリーグで優勝争いができるクラブにまで押し上げ、最後の2年弱は日本代表監督として過去に類を見ない躍動的なサッカーを見せてくれた。
そんなオシムから人知れず「もうひとつの言葉」を授かった人たちがいた。育成、普及、指導、教育、リーダーシップ研究、スポーツ医療…様々な分野でオシムのフィロソフィーを受け継ぐ11人の男たちの情熱と葛藤とは?
気鋭のスポーツジャーナリストが伝える
オシムが遺してくれたものを日本の未来にどう活かしていくべきか?

目次

■序章■「子どものことをやれ」

■第1章■ 
継ぐ「それでも人生は続く」――佐藤勇人
平和が続くとは限らない
声なき言葉~2ゴールで睨まれる
自由だからこそ責任をとれ
オシムのブラボー
日本サッカーの日本化「三つの鍵」
「大切なのは地域であり、育成だ」

■第2章■ 
野心「もっと上を見ろ。空は果てしない」――羽生直剛
「野心」の代わりに書いた言葉の意味
サッカー選手の「豊かな人生」とは
「ジェフの日本代表化」は長期計画だった説
リスクを冒さない人生に成功なし
オシムの教訓「プロセスを見ろ」

■第3章■ 
進化「おまえが指示を出したら、その選手が下手になる」――小倉勉
コーチ失格
「サッカーの普遍」への挑戦
選手は生身の人間だ。感情がある

■第4章■ 
探究「限界に限界はない。限界を超えれば、次の限界があらわれる」――池田浩
61日間休みなし
猛練習でもケガ減少の理由とは
背中を押してもらった代表ドクター就任
泣きながら電話をしてきた乾

■第5章■ 
約束「汗をかく選手を大切に扱う。それが我々のチームだ」――祖母井秀隆
オシムからの卒業
オシム獲得に結び付いた闘牛ダンス
オシムが生むカオス
「おまえは子どものことをやれ」

■第6章■ 
改革「サッカーのやり方ではなく“サッカーすること”を教えなさい」――池上正
サッカーのやり方を教えるな
日本人の従順さを嘆いたオシム
日本人はサッカーをしていない
二人の師匠
オシムのハグ

■第7章■ 
辿る「ピッチ上で起こることは、人生でも起こり得る」――間瀬秀一
仕事は「通訳」でなく「指導者」
「じゃあ、俺抜きでやれ!」オシムにキレた日
モンゴル代表監督に就任~最後の電話

■第8章■ 
紡ぐ「コーチは調教師ではない」――千田善
「みなさんはクソ野郎です」
コーチは調教師ではない
育成にも一家言

■第9章■ 
繋ぐ「やるかやらないかは、おまえが決めろ」――吉村雅文
走らないと解決できない
選手と学び合うことが「強化」に繋がる
最初で最後のウインク

■第10章 
証明「レーニンは『勉強して、勉強して、勉強しろ』と言った。私は選手に『走って、走って、走れ』と言っている」――夏原隆之
オシムの練習で上達を実感
オシムのリーダーシップ研究

■第11章■ 
昇華「作った人間なら、それを変えることもできる」――森田太郎
オシムが子どもたちに話したこと
オシムのギフト

■終章■ 脳細胞をかき回されて

著者略歴

著:島沢 優子
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学などを経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1993年~96年までジェフユナイテッド市原(現在は市原・千葉)を担当。98年よりフリー。スポーツ及び教育の現場を長く取材。著書に『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)、『部活があぶない』(講談社現代新書)、『左手一本のシュート』(小学館)など。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』をはじめ、ジェフで育成部長等を務めた池上正氏の著書8冊を企画構成した。公益財団法人日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員。

ISBN:9784801935280
出版社:竹書房
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SFBC