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言語の中動態、思考の中動態

著:小野文

紙版

内容紹介

中動態のひらく視座
言語と主体と認識の枠組みをゆさぶり、思索を誘発してやまない概念、「中動態」――近年、再注目されるこの異質な概念をめぐって、言語、心理、哲学、思想、文学、芸術の観点から迫り、中動態概念の軌道と圏域を見極めようとする意欲的な試み。

目次

はじめに

バンヴェニストにおける中動態――その来し方と行方を辿って
小野文

ドイツ語の再帰的表現と態に関する意味論的再考――身体運動および精神活動の分節表象とその言語化を中心に
北條彰宏

中動態は〈主体・客体〉構造の突破口になるのか?――ラトゥールの「出来事に超過された行為」を手掛かりに
荒金直人

〝もう一つの〟芸術、〝もう一つの〟哲学
熊倉敬聡

中動態と非人称――「書く」は中動態か?
郷原佳以

心理療法と中動態――治療者が参与する主体の変容/生成の過程
藤巻るり

思い出しながら語る、語りながら思い出す――マルセル・バイアー『カルテンブルク』における中動態らしきもの
粂田文

謝辞――「あとがき」に代えて

著者略歴

著:小野文
1973年生まれ。パリ第10大学大学院博士課程修了。博士(言語学)。現在、慶應義塾大学准教授。専攻、言語思想史。主な著書に、La nation d’énonciation d’Emile Benveniste(Lambert-Lucas、 2009)、『21世紀のソシュール』(共著、水声社、2018年)などがある。

ISBN:9784801006294
出版社:水声社
判型:4-6
ページ数:261ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2022年02月
発売日:2022年02月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS