美学のプラクティス
著:星野太
紙版
内容紹介
美学、この不純なる領域
たえず懐疑的な視線にさらされ、「居心地の悪さ」を指摘されてきた学問領域、美学……。「崇高」「関係」「生命」という3つのテーマをめぐって、抽象と具体のあいだで宙吊りにされてきた美学の営為を問い直す、ひとつの実践の記録。美・芸術・感性を越境する批判的思考のきらめきが、いまここに。
目次
序論 美学、この不純なる領域
第Ⅰ部 崇高
カタストロフと崇高
戦後アメリカ美術と「崇高」――ロバート・ローゼンブラムの戦略
感性的対象としての数――カント、宮島達男、池田亮司
第Ⅱ部 関係
ハイブリッドな関係性
ソーシャル・プラクティスをめぐる理論の現状――社会的転回、パフォーマンス的転回
リレーショナル・アートをめぐる不和――ジャック・ランシエールとニコラ・ブリオー
第Ⅲ部 生命
生成と消滅の秩序
生きているとはどういうことか――ボリス・グロイスにおける生の哲学
第一哲学としての美学――グレアム・ハーマンの存在論
初出一覧
あとがき