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運命の謎

著:三浦清宏

紙版

内容紹介

小島信夫と歩んだ文学人生

異才の小説家・小島信夫の導きによって文学と生き方に目覚めた著者が、高度成長期の活況、小島との出会いと居候生活、小島文学誕生の舞台裏、みずからの文学修行と見えない世界への関心、そして「長男の出家」での芥川賞受賞にいたる〈出来の悪い弟子〉の道のりを豊かに語る。

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私は懐かしい、楽しい気分で仕事をした。しかし話す内容を原稿として書いているうちに、これは単なる回顧録ではない、小島信夫という人物を通じて、自分がどう変わっていったか、どういう影響を受けたのか。それにはどういう意味があり、どう評価すべきなのか。いったい、自分にとって、小島信夫とは何者だったのか。そう考えるようになってきた。(「あとがき」より)

目次

Ⅰ 運命の出会い
序章 話の発端(私の芥川賞授賞式における小島さんの一言)
第一章 アメリカ・アイオワ大学での出会いと当時の小島さん
第二章 帰国、小島さんと再会
第三章 小島家に下宿してから出るまで(小島さんの再婚、私の結婚)
第四章 出来の悪い弟子(1)――「自分を書く」ことに迷い、坐禅や心霊研究に走る
第五章 出来の悪い弟子(2)――小島文学の最盛期と私の芥川賞受賞

Ⅱ 小文
「自分」を書け
小島信夫の文体・覚え書――「アメリカン・スクール」から「返照」を経て
小島さん、済みませんでした
交霊会の小島さん

あとがき

著者略歴

著:三浦清宏
1930年、北海道室蘭に生まれる。小説家、心霊研究者、元明治大学工学部教授。主な著書に、『イギリスの霧の中へ――心霊体験紀行』(南雲堂、1983年)、『長男の出家』(福武書店、1988年。表題作で芥川賞受賞)、『ポエトリ・アメリカ』(講談社、1988年)、『文学修行――アメリカと私』(福武書店、1988年)、『カリフォルニアの歌』(福武書店、1989年)、『摩天楼のインディアン』(福武書店、1991年)、『幽霊にさわられて――禅・心霊・文学』(南雲堂、1997年)、『海洞――アフンルパロの物語』(文藝春秋、2006年。日本文芸大賞受賞)、『近代スピリチュアリズムの歴史――心霊研究から超心理学へ』(講談社、2008年)、『見えない世界と繫がる――我が天人感応』(未来社、2014年)などがある。

ISBN:9784801005921
出版社:水声社
判型:4-6
ページ数:275ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ