部下との対話が上手なマネジャーは観察から始める
著:白井 剛司
監:八谷 隆之
監:吉里 恒昭
内容紹介
業績目標達成や部下育成に加えて、リモートワークでのマネジメント、ウェルビーイング、エンゲージメント向上等々……現代のマネジャーは、一昔前のマネジャーよりも対応すべきイシューが多く、かつてないほどに忙しい状況に追いやられている。
そのため、気がかりなことで常に頭の中が占拠され、しっかりと休めていないマネジャーが多い。
そうした過酷な状態では、常に落ち着いて望ましいパフォーマンスを出すことは難しい。
感情的になって、チームメンバーにつらく当たってしまったり、あるいは逆に、メンバーに遠慮して仕事を任せられず、自分で巻き取り続けてしまったり、といったことが起きる。
蓄積した疲れを見せたり、不機嫌な様子を見せていると部下も上司に対し緊張感や不信感を抱き、部下の行動を変えるような深い対話を行うことも難しくなる。
大きな成果にはつながらず、ムードや関係性も悪くなるという負のループがチームの中で繰り返されることになる。
そこで本書は、マネジャーの、自他への「観察力」を高めることで、この負のループを断ち切る方法を解説する。具体的にはマネジャーが、自律神経系の理論である「ポリヴェーガル理論」を知り、それを基に自分と他者の心と身体の観察と調整ができるようになることで、精神的な余裕や落ち着きを取り戻すことができる。どんなに疲れていても感情的にならず、相手の状況を慮りながら、言うべきことを伝える対話ができたり、チームで、安心して仕事を進める環境をつくり出すことが可能になる。
目次
第1章 なぜ「観察」が重要なのか?
マネジャーが置かれた環境と「観察」
1 現代のマネジャーは、なぜここまで忙しいのか?
2 状況を変える鍵は、自己・他者の「観察」
第2章 何を、どうやって観察するのか?
自律神経の学説「ポリヴェーガル理論」と観察
1 ポリヴェーガル理論とは?
2 赤・青・緑の3色のモード
3 身体感覚・思考・感情をどのように観察するのか?
4 身体感覚・思考・感情の連動
5 職場でどう活かすのか
第3章 赤のモード(闘う/逃げる)を観察する
赤のモード(闘う/逃げる)では、何が起こっているのか?
1 ケースで理解する赤のモード
2 赤のモードの身体と心
3 何を求めて闘い、逃げるのか?
4 赤のモードに入ったときに取りたい対応
5 身近なところにある赤のモード
第4章 青のモード(固まる/動けなくなる)を観察する
青のモード(固まる/動けなくなる)では、何が起こっているのか?
1 ケースで理解する青のモード
2 青のモードの3つの状態
3 青のモードの身体と心
4 青のモードの本質と、移行のプロセス
5 青のモードの注意点と対処法
6 身近なところにある青のモード
第5章 緑のモード(安心する/つながる)を観察する
緑のモード(安心する/つながる)では、何が起こっているのか?
1 ケースで理解する緑のモード
2 緑のモードは安心モード
3 緑のモードの身体と心
4 単なるリラックスではない緑のモード
5 緑のモードを長くするための調整とは?
6 緑のモードが多いチームとは、どんなチームか
7 身近なところにある緑のモード
第6章 ブレンドされるモード
身体のモードはブレンドする
1 3色のモードの順序と関係性
2 緑のモードを、できるだけ長く保つ
3 3色のモードのブレンドと移行
第7章 部下育成や対話への活用
1 部下の内省支援に3色のモードを活かす
2 メンバーとの対話で3色のモードを活かす
3 内省支援と対話で大切なこと
コラム 臨床心理の専門家が語る身体観察の重要性
身体で感じる安心こそ、前向きな心と職場の源
第8章 観察力を高めるエクササイズ
観察力とマインドフルネス
1 観察力を高めるために
2 マインドフルエクササイズの3つの種類
ISBN:9784800591852
。出版社:日本能率協会マネジメントセンター
。判型:4-6
。ページ数:304ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2024年03月
。発売日:2024年03月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ。