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経理DXのトリセツ

著:児玉 尚彦
著:上野 一也

紙版

内容紹介

 あらゆるビジネスでDXが推進され、電子取引の普及が加速するなか、もっともデジタル化・ペーパーレス化が遅れているのが経理部門といわれます。古くから続く紙とハンコの商習慣から脱却できず、そのせいでテレワーク・在宅勤務もできない状況です。
 そこで本書では、ペーパーレス化できない原因や問題点を整理し、社内の伝票や帳票をはじめ、取引先との契約書、請求書、注文書、領収書などの電子化、そのデータの保管方法やツールの利用方法、移行の仕方など経理業務の合理化について、企業会計とDXに詳しい二人の専門家が詳しく解説します。
 また、令和4年1月から義務化され、令和5年12月末までに対応の電子取引の電子による保存(電子帳簿保存法の改正)や、令和5年10月より導入の消費税率や消費税額を請求書に明記する適格請求書(インボイス)方式(消費税インボイス制度)を考慮し、勝手な判断で誤ったデジタル化・ペーパーレス化をしないための実務ポイントも丁寧に指南します。

目次

第1章 経理DXで得られる3×3の効果
1-1 経理DXの3つのメリット
1-2 [時間短縮]経理事務は将来的にゼロ時間へ
1-3 [経費削減]デジタル化で経理コスト1/2以下に
[Column]確実にペーパーレスにする2つの方法
1-4 [品質向上]人間の作業が減るほどミスが減る
[Column]スタンプラリーをやめてデジタルチェックでミス解消
1-5 [生産性向上]短時間・低コスト・高品質
1-6 [収益性向上]経理のデジタル化で業績も改善
[Column]事務コストを固定費から変動費へ
1-7 [成長性向上]デジタル化で社員も組織も成長する
1-8 [まとめ]経理のデジタル化で3×3の経営効果

第2章 失敗しない経理DXの進め方
2-1 なぜ、経理DXは進まないのか?
[Column]アナログ経理は5~10年以内に失業する
2-2 アナログ経理はテレワークできない
2-3 電子帳簿保存法の改正に経理はどう対応すべきか?
[Column]スキャナ保存+AI-OCRでデータ利用
2-4 失敗しない経理DXの進め方[計画編]
2-5 失敗しない経理DXの進め方[調査編]
2-6 失敗しない経理DXの進め方[準備編]
2-7 失敗しない経理DXの進め方[移行編]
2-8 [まとめ]失敗しない経理DXの進め方のポイント

第3章 改正電子帳簿保存法と経理部のデジタル化
3-1 経理部内の紙問題を改善する
3-2 [改善①]会計伝票はデジタル化ではなく廃止
3-3 キャッシュレス化でデジタル化は大きく進む
3-4 [改善②]会計帳簿のデジタル化
3-5 [改善③]管理帳票のデジタル化
3-6 [改善④]預金管理のデジタル化
3-7 [改善⑤]手形管理のデジタル化
3-8 [改善⑥]税務書類のデジタル化(申告手続き)
3-9 [改善⑥]税務書類のデジタル化(納付手続き)
3-10 経理部内のデジタル化の進め方
3-11 経理部内のデジタル化でよくある質問
3-12 [まとめ]6つのカテゴリーから始める経理のデジタル化
[Column]会計システムの電子帳簿保存設定

第4章 改正電子帳簿保存法と社内業務のデジタル化
4-1 社内業務で流れる書類の改善
4-2 経費精算業務の問題点と改善ステップ
4-3 [経費精算改善ステップ1]運用のルール変更
4-4 [経費精算改善ステップ2-1]経費精算システムの活用
4-5 [経費精算改善ステップ2-2]AI-OCR機能の活用
[Column]経費精算システム導入の流れ
4-6 仕入支払業務の問題点と改善ステップ
4-7 [仕入支払改善ステップ1]運用ルールの変更
4-8 [仕入支払改善ステップ2]仕入支払業務のシステム活用
4-9 売上回収業務の問題点と改善ステップ
4-10 [売上回収改善ステップ1]売上回収業務の運用ルール変更
4-11 [売上回収改善ステップ2]売上回収業務のシステム化
4-12 社内業務のデジタル化における現状調査と検討事項
4-13 社内業務のデジタル化でよくある質問
4-14 [まとめ]3つの業務から始める社内業務のデジタル化

第5章 改正電子帳簿保存法と社外取引のデジタル化
5-1 社外との取引書類のデジタル化
5-2 電子帳簿保存法を理解する
5-3 電子帳簿保存法(取引書類)の全体像
5-4 パターン1:電子帳簿保存(データ保存)の保存要件
5-5 パターン2:スキャナ保存の要件
5-6 パターン3:電子取引の要件
5-7 支払関係書類のデジタル化
5-8 売上関係書類のデジタル化
5-9 社外取引のデジタル化の進め方
[Column]取引先との電子取引システム
5-10 社外取引のデジタル化でよくある質問
5-11 [まとめ]電帳法の理解から始める社外取引のデジタル化

第6章 電子インボイス制度とこれからの経理DX
6-1 経理DXへの移行順序の理想と現実
6-2 経理DX成功の3つの秘訣
6-3 経理のデジタル対応スケジュール
[Column]電子データは年度ごとにPDF形式でバックアップ
6-4 消費税インボイス制度で変わる経理処理
6-5 電子インボイスの活用による経理の効率化
6-6 金融EDIとでんさいネット対応
[Column]中小企業の経理DXにはIT導入補助金が有効
6-7 経理関連業務のデジタル対応
6-8 経理システムのクラウド化
6-9 まとめ デジタル経理へ移行

第7章 DX後の経理の仕事
7-1 経理DXは3段階で進化
7-2 アナログ経理とデジタル経理の仕事の比較
7-3 発生から計上、決済までのデジタルデータ連動
7-4 デジタル+アナログのハイブリッド経理
7-5 デジタル後の証憑管理と会計監査
7-6 経理のリスキリングのためのリカレント教育
[Column]デジタル時代の税務調査
7-7 AIとBIによる将来的なデジタル経理モデル
7-8 まとめ DX後の経理の仕事

著者略歴

著:児玉 尚彦
税理士。(株)経理がよくなる代表。埼玉大学経済学部卒。
企業の税務会計顧問の他、経理業務の効率化、財務体質の改善、経理社員の育成などを中心に活動。講師を務める「経理財務セミナー」には9000社以上が受講。著書『35歳までに身につけておくべきプロの経理力』『「少人数で儲かる経理」はこうつくる』(以上、日本実業出版社)、『会社のお金はどこへ消えた?』(ダイヤモンド社)、『新版ココまでできる経理の合理化』(日本能率協会マネジメントセンター)他。
著:上野 一也
税理士・中小企業診断士。(株)経理がよくなる/児玉上野税務会計事務所 共同代表。1976年生まれ。慶応義塾大学理工学部卒業後、ヤマハ(株)へ入社。情報システム部門に7年間勤務し、社内システムの設計・運用に携わる。その後、2007年に会計事務所へ転職し、会計業務に従事しながら税理士資格を取得。経理事務を改善するためのシステム化支援、改善後の財務分析や資料づくりなどを指導し、多くの経理社員のキャリアアップに貢献。経理社員向けの財務研修やエクセル研修も多数実施しており、実務に直結する内容は「具体的でわかりやすい」と高い評価を得ている。経理関連の雑誌に記事多数執筆。

ISBN:9784800590619
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
判型:A5
ページ数:248ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ