出版社を探す

蔑まれし者たちの時代

現代国際関係の病理

訳:福富 満久
原案:ベルトランド・バディ

紙版

内容紹介

屈辱を与える者と受ける者――国際関係を基底する「蔑み」の論理とは何か。

西洋諸国は、帝国主義的な植民地獲得競争の下で、各地の社会や文化を蹂躙し破壊してきた。当時いくつもの屈辱を受けてきたアジアやアフリカ、中東の国々の憎しみの感情が、様々なかたちで今日の国際情勢に表出している。そして、西洋諸国による「蔑み」は今なお続いてもいる――。数多の歴史的事象から、国際社会にはびこる「蔑み」という重大な病理を喝破した現代フランスを代表する知の巨人の名著、待望の邦訳!

目次

日本版への序文
新版の序文
序 論
第1 部 国際関係史における屈辱または新たな社会病理の発見
第1 章 共同生活の罠
第2 章 蔑みまたは無秩序な権力
第3 章 屈辱の種類とその外交
第 2 部 屈辱によって潤される国際システム
第4 章 構成的不平等: 植民地時代の過去
第5 章 構造化された不平等:エリートの外側にいること
第6 章 機能的不平等:ガバナンスの外にあること
第 3 部 屈辱の危険な影響:反システム側に?
第7 章 社会の仲介者としての役割
第8 章 反システム外交?
第9 章 制御されない暴力
結 論
原 注
訳者解説
事項索引/人名索引

著者略歴

訳:福富 満久
一橋大学大学院社会学研究科教授(国際政治学・国際正義論)
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、2009 年パリ政治学院Ph.D. 国際関係プログラム修了、2010 年早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程修了。Ph.D(. 国際関係学、パリ政治学院)、博士(政治学、早稲田大学)。英国王立地理学会フェロー(FRGS、地政学)。12 年4 月より一橋大学大学院社会学研究科准教授を経て15 年4 月より現職。
キングス・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)戦争学研究科シニア・リサーチフェローなど兼務。著書に『戦火の欧州・中東関係史―収奪と報復の200 年』東洋経済新報社 2018 年5 月、『編著『新・国際平和論』ミネルヴァ書房 2023 年10 月などがある。ベルトランド・バディ著「L’hégémonie contestée」(2019)、「Les puisssances mondialisées」(2021) を2024 年夏以降順次翻訳予定。
原案:ベルトランド・バディ
パリ政治学院および東洋国立言語文明研究所(INALCO)修了、パリ政治学院で博士号取得。1974 年、パリ第1 大学パンテオン・ソルボンヌ大学で講師、以降、助教授、オーヴェルニュ・クレルモンフェラン第1 大学教授を経て1990 年からパリ政治学院国際関係学教授。世界政治学会(IPSA)の副会長(2006 ~ 2010 年)も務めた。現代フランスのみならず、欧州において最も有名な国際政治学者の一人。これまでに25 冊以上を出版、数多くの国で翻訳されておりそれらを含めると全世界で40 冊を超える。ヨーロッパ国際研究ジャーナル委員長の他、国際人権ジャーナル、国際関係と開発ジャーナルなど有名学術誌のエディトリアル・ボード・メンバー。ローザンヌ大学、ジュネーブ大学、チュニス大学、ラバト大学、フェズ大学、ポルトアレグレ大学、ボローニャ大学などでも教鞭を執る。

ISBN:9784798918846
出版社:東信堂
判型:A5
ページ数:232ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS