国家権力と倫理
訳:小笠原 道雄
訳:田代尚弘
原案:テオドール・リット
紙版
内容紹介
ナチス体制に抗い、国家権力に潜む魔力と誘惑を糾弾したリットの名著!
国家権力が持つ一元的な権力—暴力—は、人々に隷従を強いることで権力者の欲望を肥大化させ、国家や人間社会を蹂躙しうる。古今東西多くの権力者が、「自己欺瞞の詭弁」を用い、その暴力の正当化に固執してきた。たとえある者が権力者の駆逐に成功したとしても、倫理的意志が薄弱であれば、再びその者が権力の蠱惑的魔力に陥りうる――。ナチス体制下のドイツで書かれたものの、その内容ゆえに当時は公にされず机にしまい込まれていた、権力者が持つべき倫理的意志について喝破した一冊。
目次
はじめに/凡例
序 章
第1章 国家と権力
第2章 国家と文化
第3章 国家と倫理
第4章 国家と自然
第5章 国家権力の倫理的制御
終 章
原注/訳注
解題 ナチズム期におけるリットの思想的位相の一断面(田代尚弘)
あとがきに代えて―本著刊行の経緯とその意義
事項索引/人名索引