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平成とは何だったのか

著:斎藤 貴男

紙版

内容紹介

 まもなく、平成の世が終わります。本書は、まさにこの平成の時代にジャーナリストとして独り立ちし、監視社会、格差社会、企業社会、強権支配など、この間社会を覆い、その都度混迷を深めていった日本の〝病巣″をノンフィクションの手法で常に鋭く批判してきた著者による、総括的「平成論」です。
 日本人の多くはますます貧乏になっている、再び日本に戦争が近づいているようだ、大きな事件・事故や不祥事があっても誰も責任を取らない等々、日本人の多くが肌で感じてはいるが見て見ぬふりしている社会の危機的な状況を、本書はひとつひとつ腑分けしながら、丁寧明快に論じていきます。
 平成とは、一言でいえば、日本が「アメリカの属州」であることが、誰の目にも明らかになった30年ではなかったか。
 なぜ沖縄の県民投票で「辺野古埋立て」にNoの民意が出ても国は一顧だにしないのか。安倍首相の有形無形の関与が誰が見ても明らかな「モリ・カケ」問題が、なぜ「私は一言もそんなことは指示していません」の一言で終わってしまうのか。
 戦争のできる国づくり、社会保障費の大幅切り下げ、労働市場の行き過ぎた自由化、そして跳梁跋扈するネトウヨに国民の空気が支配されるニッポン。せめて次代を「夜明け前」にするために、今あえて「平成」の暴虐を暴く!

目次

序 章 余計なことばかりした、させられた平成の日本
第1章 格差拡大の平成
第2章 1995年
第3章 排除と差別の平成
第4章 9・11
第5章 アメリカの平成
第6章 反知性・反人倫の平成
第7章 3・11
第8章 平成と大日本帝国ごっこ
第9章 平成の次をせめて「夜明け前」にするために

著者略歴

著:斎藤 貴男
斎藤貴男(さいとう たかお)
1958年東京生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。「日本工業新聞」記者、「プレジデント」編集部、「週刊文春」記者などを経て独立。著書に『カルト資本主義』(ちくま文庫)、『機会不平等』(岩波現代文庫)、『安心のファシズム』『ルポ 改憲潮流』(岩波新書)、『消費税のカラクリ』(講談社現代新書)、『戦争のできる国へ――安倍政権の正体』(朝日新書)、『「東京電力」研究 排除の系譜』(角川文庫、第3回「いける本大賞」受賞)、『ジャーナリストという仕事』(岩波ジュニア新書)、『戦争経済大国』(河出書房新社)、『日本が壊れていく』(ちくま新書)ほか多数。

ISBN:9784798056326
出版社:秀和システム
判型:4-6
ページ数:294ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年03月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ