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アルキメデスの驚異の発想法 数学と軍事

著:上垣 渉

紙版

内容紹介

天才的な数理科学者として広く知られているアルキメデス。
小学校の算数の教科書では円周率がおよそ3.14であることを初めて発見した人物として紹介され、中学校の理科の教科書では、「浮力に関する法則」の項で「アルキメデスの原理」が説明されている。
果たして「アルキメデス」とはどのような人物だったのだろうか。
本書ではその生涯を追いながら、古代ギリシアにおけるさまざまな制約下で、発想を形として実現させたアルキメデスの凄さを再発見する。

――(目次より抜粋)
●プロローグ なぜ、今、アルキメデスなのか?

●第1章 その男の名は「アルキメデス」
アルキメデスの生涯/アルキメデスが書簡を送った相手/エラトステネスとの交友関係

●第2章 アルキメデスは何を発見したのか?
ヘウレーカ、ヘウレーカ、何がわかったのか?/20世紀によみがえったアルキメデスの伝説の書『方法』/なぜ、アルキメデスにとって「無限」は禁じ手だったのか?/無限を回避する絶妙な手法/

●第3章 究極の「軍事兵器」
ポエニ戦争に巻き込まれたシラクサ/ローマ軍を震撼させた、アルキメデスの「3つの軍事兵器」/「巨大な鉤爪」がローマの軍艦を高く持ち上げ、岩に砕く/距離を自在に調節できる「アルキメデスの投石機」/「熱光線」がローマの軍艦を焼き尽くす/MITの「死の熱光線」実験、その結果は?/巨大船シュラコシア号をひとりの力で動かす

●第4章 究極の「数学兵器」
『円の測定』の3つの命題/独特な「背理法」+「取り尽くし法」のミックス証明/「証明」する前に"直観"で答えを知っていた!/球の体積、表面積をアルキメデスはどう求めたか?/「数学兵器」は機械学の知識をフル活用していた/天秤を"運動"にまで進化させたガリレオ/カヴァリエリこそ、アルキメデスの正統な後継者だ!

●第5章 アルキメデスが最後に解こうとしたもの
シラクサの陥落/アルキメデスの墓とキケロの証言/カヴァリエリはアルキメデスの『方法』を見たか?/『方法』の続編に構想された幻の立体

■著者略歴
上垣 渉(うえがき わたる) 三重大学名誉教授、全国珠算教育連盟学術顧問。1948年、兵庫県生まれ。神戸大学教育学部数学科を卒業し、東京学芸大学大学院修士課程を修了。
著書に『アルキメデスを読む』『ギリシア数学の探訪』(共に日本評論社)、『はじめて読む数学の歴史』(角川ソフィア文庫)、共著に『数と図形の歴史70話』(日本評論社)、『「尋常小学算術」と多田北烏』(風間書房)などがある。

ISBN:9784797680775
出版社:集英社インターナショナル
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:860円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PB