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SB新書

暗号通貨VS.国家

ビットコインは終わらない

著:坂井 豊貴

紙版

内容紹介

仮想通貨の経済圏とは?

「仮想通貨は終わった……」
相場の暴落を機に、メディアには否定的な報道があふれかえった。
しかし、ビットコインをはじめとする暗号通貨は、本当にこのまま消えてなくなっていくのだろうか。
私たちは、まだ暗号通貨の本当の可能性に気づけていないのではだろうか。

本書は、『多数決を疑う』『マーケットデザイン』などの著作をもつ著者が、経済学の視点から暗号通貨の思想・制度設計・通貨としての役割を詳細に論じる。本書のタイトルは暗号通貨と国家を「vs」で対置させている。だが暗号通貨は「反国家」ではない。暗号通貨は「非国家」。国家に過度に集中した力を世のなかに分散させていくものだ。

暗号通貨で社会はいかに変革するか。
本書は今起きていること、これから起きることを冷静に見通すための手助けとなる1冊である。

◎項目
危険なキャッシュレス
創造主(サトシ)は正体不明
通貨の本質とは何か?
徴税と暗号通貨
銀行預金のすごさ
国際送金とリップルXRP
P2Pの世界通貨
すべては巨人の肩の上に立つ
ビットコインとは何か②マイニングの仕組み
多数決と正しい確率
ビザンチン将軍問題
管理者のいないコミュニティ
ネットワーク効果--調整ゲームと協調行動
若きヴィタリクの情熱
トークンによる資金調達
ノーベル賞学者の参入

目次

1章 ビットコインは現金を駆逐するか
・日本円もじつは仮想通貨
(私たちのもっている現金の99.9%は仮想通貨)
・ハッキングから守るのが日銀の仕事
・現金はいらなくなる?
・貨幣論からみる「お金」
・電子マネーと現金の100円の価値は同じではない
・行動経済学でみると、電子マネーは破産を増やす
・富の偏在が起こる経済学的理由
★貯金・節約・投資などの分析アドバイスを、貨幣論?をもとに入れたい

2章 社会にお金はどのくらいあるか?
・金融緩和でお金はいくら増えた?
・3本の矢、残りの2本は実はどうでもいい
・アベノミクス=国債を買う、だけ。
・国家予算の半分は国債の意味
・金融緩和の出口が見えない理由
・国の借金は私たちと何が関係あるか?
・住宅ローン金利の破たんはいつか
★労働・賃金のはなしも入れて、個人の興味関心と近づけたい

3章 市場原理の終わり ――グーグルには気をつけろ
・「競争は正しい=市場原理主義」はほんとうか?
・IT時代のアダムスミスの誤ち。
・消えた「神の見えざる手」
・優勝劣敗が通じない現代(グーグル、Facebook…プラットフォームビジネス)
・覇権言語=英語は、いちばん優秀か?
・みんなが使うと価値になる(ネットワーク外部性)
・マルクスの予言とこれからおとずれる未来

4章 評価経済はおとずれない
・クラウドファンディングは9割失敗する
・99%はキングコング西野になれない経済的理由
・「認知負荷」という現実
・ベネズエラのハイパーインフレ
・人気者になろうとがんばってはいけない
5章 銀行は消滅するか?
ブロックチェーン(暗号化)、「銀行消滅」論を「お金の流通」から解説

著者略歴

著:坂井 豊貴
慶應義塾大学 経済学部 教授。ロチェスター大学 Ph.D.(経済学)学位。 社会的選択理論、マーケットデザイン、メカニズムデザインが専門。1975年広島県生まれ。 横浜市立大学、横浜国立大学、慶應義塾大学の准教授を経て、2014年に38歳で慶應義塾大学経済学部教授に着任。著書に『多数決を疑う』(岩波新書、2016年新書大賞4位)、『決め方の経済学』(ダイヤモンド社、2016年週刊ダイヤモンド・ベスト経済書3位)ほか。

ISBN:9784797398236
出版社:SBクリエイティブ
判型:新書
ページ数:216ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF