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子どもと離婚

合意解決と履行の支援

編:二宮 周平
編:渡辺 惺之

紙版

内容紹介

未成年の子供のいるカップルの離婚紛争について、合意による解決と合意内容の履行を支援する仕組みを追求。アメリカ・オーストラリア・韓国・ドイツなどの各国と日本の取組みに関する実務的な資料を掲載。アセスメント・シートや養育に関する協議書、心理相談所の誓約書、養育手帳、取決め書、相談証明書等々、実務家にとっての重要な手引きでもある。

目次

はしがき

第1章 初期対応と当事者への情報提供
解 説 子ども視点の獲得へ
Ⅰ 相談対応とケースのふりわけ(インテーク,アクセス)
 1 別居後のペアレンティング(parenting)―オーストラリアにおける紛争解決プロセス
  〔パトリック・パーキンソン(長田 真里 訳)〕
 2 オーストラリア法~その後の動向〔古賀 絢子〕
  【資料】オーストラリア・家族関係センター(FRC)の初期面談におけるアセスメントシート
Ⅱ 父母への情報提供(インフォメーション)と親教育(ガイダンス)
 1 韓国における協議離婚制度の改革と当事者の合意形成支援〔宋 賢鍾・二宮 周平〕
 2 韓国法~その後の動向〔宋 賢鍾・二宮 周平〕
 3 米国・アリゾナ州ツーソンの親教育〔二宮 周平〕
  【資料1】協議離婚制度の案内
  【資料2】裁判離婚での養育案内の概要
  【資料3-1】子の養育と親権者決定に関する協議書
  【資料3-2】子の養育と親権者決定に関する協議書の作成要領
  【資料4】裁判官からの手紙(ツーソン・ファミリーセンター)
Ⅲ 日本における取組み
 1 養育支援のための制度設計〔福市 航介〕
  【資料1】養育支援制度研究会
  【資料2】明石市こども養育支援ネットワーク全体図
  【資料3-1】こどもの養育に関する合意書
  【資料3-2】親の離婚とこどもの気持ち

第2章 子どものための協議の促進
解 説 親権争いから養育計画へ
Ⅰ 裁判所における合意形成促進モデル~コッヘムモデル
 1 ドイツにおける家事紛争の合意解決支援システム〔佐々木 健〕
  【資料1】ハイデルベルク協働モデル(HEIKO)
  【資料2】ハイデルベルク協働モデルの案内
  【資料3】ミュンヘンモデル
  【資料4】ベーブリンゲン・モデル(パンフレット)
 2  司法政策の方向性~シュトゥットガルト,ウィーンの担当者ヒアリングより〔松久 和彦〕
Ⅱ 家事事件手続法による支え
 1 コッヘム・モデルとは何か〔エーベルハルト・シュテーサー(佐々木 健 訳)〕
 2 ドイツ新家事手続法の実務―裁判手続,裁判への協力,実務での運用〔フォルカー・ビスマイヤー(松久 和彦 訳)〕
 3 オーストリアにおける配慮権及び訪問権手続〔ペーター・ベーム(佐々木 健 訳)〕
Ⅲ 機関連携と相談体制
 1 韓国における専門機関の連携と相談体制〔二宮 周平〕
  【資料1】ソウル夫婦・青少年家族相談所の誓約書
  【資料2】韓国家庭法律相談所 中区支部 附設 家庭暴力関連相談所(パンフレット)
  【資料3】参与同意書(家庭暴力関連相談所)
 2 ドイツ・シュトゥットガルトにおける機関連携〔松久 和彦・村本 邦子〕
解 説 少年局とレオンベルク心理相談所少年局〔松久 和彦〕
 レオンベルク心理相談所〔村本 邦子〕
  【資料】レオンベルク心理相談所の利用に関する合意書
Ⅳ 日本における家事調停の工夫
 1 同席聴き取りの試み(当事者主体の調停を目指して)〔小田 耕治〕

第3章 子どもの声を聴く
解 説 権利主体としての子ども
Ⅰ 臨床心理からのアプローチ
 1 複雑な家族問題のために子どもを中心にした解決を創造する〔ブリギット・カップ(村本 邦子 訳)〕
 2 ドイツの家事手続におけるメディエーションと子の意見の聴取~子の最善の利益をサポートするためのシステムの設計
  〔ブリギット・カップ(狭間 巨勝 訳)〕
Ⅱ 子どもの声の代弁者
 1 ドイツ手続補佐人制度の運用と日本法への示唆〔佐々木 健〕
 2 カナダのチルドレンズ・ローヤーズ・オフィス〔二宮 周平〕
 3 日本の家裁調査官と子どもの手続代理人〔二宮 周平〕
  【資料】手続代理人(日弁連家事法制委員会作成パンフレット)
Ⅲ 子どもへの情報提供
 1 子どもへの情報提供の必要性と可能性〔二宮 周平〕
  【資料】子どものための別居と離婚案内「次に何が起こるの?」
     (What happens next? Information for Kids about Separation and Divorce)

第4章 別居・離婚後の親子の交流を支える
解 説 交流を継続する考え方
Ⅰ 専門機関・団体による面会交流支援
 1 ドイツ・シュトゥットガルト子ども保護連盟〔桑田 道子〕
 2 ウィーンの訪問カフェ(Besuchscafé)〔松久 和彦〕
 3 カナダ・オンタリオ州の監督付面会交流プログラム〔二宮 周平〕
  【資料1】APCO(両親と子どもアクセスセンター,Access for Parents and Children)のパンフレット
  【資料2】法務部・監督付面会プログラム20周年記念カレンダー
Ⅱ 日本の取組み
 1 あなたは子どもの心が見えますか〔山口 恵美子〕
 2 民間支援団体によるサポート~ Vi-Project の活動より〔桑田 道子〕
 3 面会交流広場―集団援助型の支援(あったかハウス)〔二宮 周平〕
  【資料1】面会交流支援団体
  【資料2】民間支援団体パンフレット
  【資料3】面会交流広場申込書
  【資料4】韓国ソウル家庭法院「面接交渉センター」パンフレットと利用申請書
Ⅲ 別居・離婚後の親子の交流ノート
  【資料1】子どもとの健康な出会いのための養育手帳(ソウル家庭法院)
  【資料2】こどもと親の交流ノート(明石市)

第5章 国際的な子の奪取の民事的側面に関するハーグ条約
はじめに〔渡辺 惺之〕
Ⅰ 国境を越える配慮権(Sorgerecht)あるいは面会交流権(Umgangsrecht)をめぐる紛争状況
  〔ダグマー・ケスター=ヴァルチェン(長田 真里 訳)〕
Ⅱ ドイツにおける子の返還事件に関するメディエーションの実務並びに裁判との連携
  〔マルチナ・エルプ・クリューネマン(渡辺 惺之 訳)〕
Ⅲ ドイツにおける『ハーグ子の連れ去り条約』による子の返還裁判の実務
  〔マルチナ・エルプ・クリューネマン(渡辺 惺之 訳)〕
Ⅳ 子の奪取の民事面に関する1980年10月25日ハーグ条約とオーストリー
  〔ベア・フェアシュレーゲン(渡辺 惺之 訳)〕

あとがき
初出一覧
執筆者(翻訳者)一覧

著者略歴

編:二宮 周平
立命館大学法学部教授
編:渡辺 惺之
弁護士、大阪大学名誉教授

ISBN:9784797293050
出版社:信山社
判型:4-6変
ページ数:468ページ
定価:6200円(本体)
発行年月日:2016年04月
発売日:2016年04月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNB