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◆世界を深く知るための新しい法制史の創造 ― 第6号特集「伝統法と近代法の混交と融合―制度変化の連続面と不連続面」◆
第6号は特集「伝統法と近代法の混交と融合―制度変化の連続面と不連続面」として、制度全体の変化プロセスを凝視・考察（松尾、中村、深沢）、論説は「明治の吟味願」（高田）。書評2本（岩谷、大中）に加え査読論文（大和）を掲載。既存の学会誌の枠内には収まらない新しい法制度の創造を目指す。

『法と文化の制度史第6号』
　山内 進・岩谷十郎　責任編集

【目　　次】

創刊のことば（山内進，岩谷十郎）
はしがき（松尾　弘）

◇特集　伝‌統法と近代法の混交と融合―制度変化の連続面と不連続面◇

1　地域コミュニティの連続性と不連続性―その形成の経緯と実体〔松尾　弘〕
　Ⅰ　序　　論
　Ⅱ　近代化前における地域コミュニティ―自治的村落の生成と変容
　　1　自治的村落の形成
　　2　封建的支配の進展と村落自治の変容
　Ⅲ　近代日本の地域コミュニティ―伝統的村落の改変と存続
　　1　中央集権国家の形成と伝統的村落の変容
　　2　戦後の地方制度改革における地域的共同体
　　3　伝統的村落と入会団体
　Ⅳ　結　　語

2　モンゴル1924年憲法の構造と特質に関する比較法的考察―モンゴルにおける伝統法と近代法の交錯〔中村真咲〕
　Ⅰ　問題の所在
　Ⅱ　モンゴル1924年憲法の研究史
　Ⅲ　モンゴル1924年憲法の構造と特質
　Ⅳ　1923年の地方行政組織規定に関する再考
　Ⅴ　結　　語

3　公園制度の継受と所有者的意識の連続と不連続―公園を「地域の共有資産」として再認識するための一考察〔深沢　瞳〕
　Ⅰ　はじめに―問題の所在
　Ⅱ　公園制度の沿革
　Ⅲ　所有者的意識の涵養
　Ⅳ　結語―「地域の共有資産」としての公園の再認識に向けて

【論説】
明治の吟味願〔髙田久実〕
　Ⅰ　は じ め に
　Ⅱ　吟味願の運用
　Ⅲ　司法省と吟味願
　Ⅳ　む す び に

【書評】
〈1〉‌荒川英央著『明治中期の民法教育・民法学習―法学徒たちの社会史へ』（信山社，2023年）〔岩谷十郎〕

〈2〉デーヴィッド・クレッシー著，加藤朗訳『火薬の母　硝石の大英帝国史―糞尿と森が帝国を支えた』（あけび書房，2024年）〔大中　真〕


〈査読論文〉
佐々木惣一と穂積八束―「‌‌立憲主義」対「専制主義」の対立図式を越えて〔大和友紀弘〕
　序　　論
　Ⅰ　国体政体二元論の「継承」
　Ⅱ　日本憲法の「獨自性」と穂積憲法学
　Ⅲ　戦時から戦後へ
　結　　語

編：山内 進
一橋大学名誉教授

編：岩谷 十郎
慶應義塾大学法学部教授

他著：松尾 弘
慶應義塾大学大学院法務研究科教授