『憲法のフラグメント―全体社会の立憲主義とグローバリゼーション』
グンター・トイプナー 著/大藤紀子 訳
【目 次】
はしがき
◆ 第1章 新たな憲法問題
Ⅰ 近代立憲主義の危機?
1 国民国家の憲法 対 グローバル憲法
2 憲法社会学の刺激
Ⅱ 不確かな前提
1 全体社会の立憲主義は,純粋にグローバリゼーションに起因する問題なのか?
2 トランスナショナルな空間における憲法の不在?
3 トランスナショナルなガバナンスは政治過程に限定されるのか?
4 基本権の第三者効力は国家の保護義務に還元されるのか?
5 コスモポリタンな世界憲法の統一性?
◆ 第2章 国民国家における全体社会の諸部分憲法
Ⅰ 自由主義的な立憲主義下における全体社会の諸制度
1 憲法不在の諸空間としての個人の自由
2 自律的な社会の諸秩序
Ⅱ 全体主義的な全体社会の諸憲法
Ⅲ 社会国家における諸部分憲法
1 歴史的教訓
2 国家統制主義的な全体社会の立憲主義
3 全体社会の諸部分領域の政治化
Ⅳ 全体社会の憲法としての経済憲法
1 オルド・リベラルな経済憲法
2 憲法経済学
Ⅴ 憲法多元主義
1 新協調組合主義の取り決め
2 ソサイエタル・コンスティテューショナリズム
◆ 第3章 トランスナショナルな憲法主体:体制,組織,ネットワーク
Ⅰ グローバルに固有の諸構造
Ⅱ 国家世界を通じた全体社会の立憲化?
1 国連憲章
2 国家世界のソフト・ロー
3 国際法を通じた立憲化とグローバル行政法
Ⅲ グローバルな諸制度に固有の憲法
1 憲法のフラグメント化
2 国際組織の憲法
3 体制―憲法
Ⅳ 憲法主体としてのトランスナショナルな諸体制?
1 憲法を制定する権力/憲法によって制定された権力
2 集合的自己同一性
◆ 第4章 トランスナショナルな憲法規範:機能,規制領域,過程,構造
Ⅰ 憲法の機能:構成的/制限的
1 社会システムの自己構成
2 動態的な不均衡の下での立憲化
3 成長強制の自己抑制
4 「毛細血管憲法」
5 悪魔とベルゼブブ
Ⅱ 憲法の領域:社会システムにおける内部分化
1 自発的領域
2 組織化された専門領域
3 コミュニケーション・メディアの自己制御領域
Ⅲ 憲法の過程:二重の再帰性
1 社会システムの再帰性
2 法システムの再帰性
Ⅳ 憲法の構造:異種混成的なメタ・コード
1 コード化とメタ・コード化
2 異種混成性
Ⅴ 固有の諸憲法の政治
1 政治 対 政治的なもの
2 政治の影で
3 全体社会の部分システム内部の政治化
◆ 第5章 トランスナショナルな基本権:水平的効果
Ⅰ 国民国家を越えた基本権
1 国家の基本権の管轄外の効果?
2 グローバルな公憤
3 体制特有の基本権の基準
Ⅱ 私的なトランスナショナルな行為主体を拘束する基本権
1 国家行為を越えて
2 一般化:価値秩序に代わるコミュニケーション・メディア
3 さまざまな社会的文脈における再特殊化
Ⅲ 基本権の包摂的な効果:アクセス権
Ⅳ 基本権の排除的効果
Ⅴ 匿名のマトリックス
Ⅵ 司法化は可能か?
◆ 第6章 トランスナショナルな諸憲法の抵触とネットワーク化
Ⅰ 第三者機関の欠如
Ⅱ 体制間の抵触
1 伝統的な抵触法の修正
2 規範的なネットワーク化
Ⅲ 文化間の抵触
1 文化的多極主義
2 外来のものの自己固有のものへの再―参入
3 文化間の抵触規範
Ⅳ さまざまな憲法の抵触における指導原理
・訳者あとがき
・文 献