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医事法講座 13

臨床研究と医事法

編:甲斐 克則

紙版

内容紹介

◆重要テーマである〈臨床研究〉の射程と法的課題を総合的に検討 ― 第一線の執筆陣が、国内外の状況を広範に考察した、法律、医学関係者必読の書◆
被験者の人権保護にも十分に配慮した適正なルールの構築へ。臨床研究と医事法の関わり、臨床研究の問題史、インフォームド・コンセントといった総論から、臨床研究法、倫理審査体制、臨床研究の現場からみた課題、レギュラトリーサイエンス、小児、補償等の具体的な課題、また、広く、英米独仏の最新動向が分かる貴重な比較法研究。信頼の法律関係者や医療関係者が一堂に集い、広範・精緻な検討を行った貴重な書。

目次

『臨床研究と医事法(医事法講座 第13巻)』

  甲斐克則(早稲田大学大学院法務研究科教授) 編

【目次】

◆1 臨床研究と医事法の関わり/甲斐克則

Ⅰ 序人体実験・臨床研究の意義と問題点
Ⅱ 日本の医事法学と臨床研究をめぐる議論の展開
Ⅲ 臨床研究をめぐる医事法上の課題
Ⅳ 結語

◆2 医事法の観点から見た臨床研究の問題史/甲斐克則

Ⅰ 序
Ⅱ 前史としての軍事的・政策的人体実験と研究本位的人体実験,そしてその反省を踏まえた国際的ルールづくりの進展とわが国の対応の遅れ
Ⅲ 臨床研究・臨床試験をめぐる医事法上の問題史
Ⅳ 結語

◆3 臨床研究とインフォームド・コンセント/佐藤雄一郎

Ⅰ はじめに
Ⅱ 日本の諸判決
Ⅲ 検討
Ⅳ おわりに

◆4 臨床研究法の意義と課題/日山恵美

Ⅰ はじめに
Ⅱ 臨床研究法の意義
Ⅲ 臨床研究法の課題
Ⅳ おわりに

◆5 臨床研究の審査体制-現状と今後の在り方/神里彩子

Ⅰ はじめに
Ⅱ 臨床研究における事前審査の必要性と特殊性
Ⅲ 日本における臨床研究の審査体制
Ⅳ 現在の審査体制の特徴と課題
Ⅴ 結びとして事前審査体制のあるべき姿

◆6 研究現場からみた臨床研究の推進と規制/福原康之

Ⅰ はじめに
Ⅱ 筆者が係わってきた臨床研究
Ⅲ 医療現場,研究現場から見た臨床研究の推進と規制
Ⅳ おわりに臨床研究の推進と規制の狭間で

◆7 臨床研究におけるレギュラトリーサイエンスの視点から-医薬品医療機器総合機構(PMDA)の役割と課題/弓場充・岩﨑清隆・笠貫宏

Ⅰ はじめに
Ⅱ PMDAのRSに対する考え方と役割
Ⅲ 治験以外の方法で得られたデータの利活用
Ⅳ 市販後に収集されたデータを活用する制度
Ⅴ ビックデータを活用した医薬品・医療機器の開発
Ⅵ PMDAの課題
Ⅶ おわりに

◆8 小児を対象とする臨床研究のあり方について/永水裕子

Ⅰ はじめに
Ⅱ 小児の臨床研究への参加について
Ⅲ 我が国喫緊の課題としてのドラッグ・ラグ問題-米国の政策を参考に検討
Ⅳ 小児を対象とした倫理的に健全な臨床研究とはどのようなものか-小児の臨床研究や臨床試験への参加に関する日本の法律,省令,指針等の検討
Ⅴ 親の代諾による小児の研究参加について
Ⅵ おわりに

◆9 臨床研究等における補償の問題/山口斉昭

Ⅰ はじめに
Ⅱ 我が国における補償制度
Ⅲ 検討
Ⅳ おわりに

◆10 フランスにおける臨床研究の法的ルールの現状と課題/小門穂

Ⅰ はじめに
Ⅱ 現行の法的ルールとこれまでの経緯
Ⅲ 審査体制についての詳細
Ⅳ Covid-19 に関する動向
Ⅳ まとめ

◆11 イギリスにおける臨床研究をめぐる法制度の現状と課題/北尾仁宏

Ⅰ はじめに
Ⅱ 現行の枠組
Ⅲ パンデミックとブレクジット
Ⅳ 欺瞞的試験の正当化とイギリス法
Ⅴ おわりに

◆12 アメリカにおける臨床研究の法的ルールの現状と課題/秋元奈穂子

Ⅰ はじめにアメリカにおける規制枠組みの概観
Ⅱ アメリカにおける臨床研究規律の歴史的経緯
Ⅲ 連邦被験者保護規則(コモン・ルール)
Ⅳ FDAによる医薬品・医療機器に関する臨床試験の規律
Ⅴ アメリカにおける臨床研究の規律の展望まとめに代えて

◆13 ドイツにおける臨床研究の法的・倫理的ルールの現状と課題/天田悠

Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツ法の法的・倫理的基礎
Ⅲ 治療的実験と科学的実験の区別をめぐって
Ⅳ 治療的実験と科学的実験を規律する法的・倫理的ルール
Ⅴ 同意無能力者を対象とする研究
Ⅵ 倫理委員会の法的・倫理的位置づけ
Ⅶ ドイツ法のまとめとわが国への示唆

著者略歴

編:甲斐 克則
早稲田大学大学院法務研究科教授

ISBN:9784797212136
出版社:信山社出版
判型:A5変
ページ数:348ページ
定価:9000円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LA