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障害の家と自由な身体

リハビリとアートを巡る7つの対話

編著:大崎晴地
他著:池上高志
他著:毛利悠子

紙版

内容紹介

バリアフリーは「障害者」を「健常者」に合わせる考え方だが、社会の均質化につながるのではないか。本当のゆたかさは「障害」の側にあるのではないか。そうした意識から、アーティストである大崎晴地は、障害そのものを建築的に考える《障害の家》プロジェクトを進めてきた。三度の展示を経て、建設に向けた計画が始まっている。本書はこれまでの展示と連動して行なわれた対談・座談の記録集であり、「障害」「家」「リハビリ」「アート」を多角的に考えるための一冊である。

目次

無作為な関係性をつくる
大崎晴地

[Grow up!! Artist Project2014報告会]

暴走性をはらんだ建築はできるか
池上高志
毛利悠子

住むことの経験を再編するために
河本英夫
十川幸司
村山悟郎

アクシデント、不自由さをデザインする
八谷和彦

家という生き物
佐野吉彦
笠島俊一

[《障害の家》プロジェクト Barrier House Project ]

スペクトラムの時代の「家」に向けて
松本卓也

[HYPER-CONCRETENESS―フィクションと生活 ]

複数の自閉から成る世界
小倉拓也
司会:飯岡陸

超具体的な現実から共約不可能性を考える
中尾拓哉

[八頭町里山建築プロジェクト]

建設に向けて──アートケアラーの住むまち
大崎晴地

著者略歴

編著:大崎晴地
一九八一年生まれ。心と身体、発達のリハビリテーション、精神病理学の領野にかかわりながら、作品制作・研究活動を行っている。博士(美術)。二〇〇七年、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業。二〇〇九年、東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程、二〇一四年、同大学院美術研究科博士課程修了。二〇二〇-二二年、国際哲学研究センター客員研究員。二〇二二年、ACC(アジアン・カルチュラル・カウンシル)日本フェローシップ・グラント。

主な展示に「Sustainable Sculpture」(駒込倉庫、東京、二〇二〇)、「CONNECT⇔ ~芸術・身体・デザインをひらく」(京都国立近代美術館、京都、二〇二〇)、「HYPER-CONCRETENESSーフィクションと生活」(京島長屋、東京、二〇一八)、《障害の家》プロジェクト(千住たこテラス、東京、二〇一七)、「新しいルーブ・ゴールドバーグ・マシーン」(KAYOKO YUKI、駒込倉庫、二〇一六)、「Grow up!! Artist Project 2014 報告会」(アサヒアートスクエア、東京、二〇一五)。
他著:池上高志
理学博士(物理学)。東京大学広域システム科学系・教授。専門は複雑系の科学・人工生命、著書に『動きが生命をつくる』(青土社、二〇〇七)、『人間と機械のあいだ』(共著、講談社、二〇一六)、『作って動かすALife』(共著、二〇一八)など。またアート活動として、《ScaryBeauty》(with 渋谷慶一郎、ALIFE2018)、《傀儡神楽》(二〇二〇、MutekJapan)、《MTM2》(東大先端研、二〇二三)など。
他著:毛利悠子
美術家。構築へのアプローチではなく、環境などの諸条件によって変化してゆく「事象」に着目したインスタレーションや彫刻を制作。カムデン・アーツ・センター(ロンドン)や十和田市現代美術館(青森)での個展のほか、「第14回光州ビエンナーレ」、「第23回シドニー・ビエンナーレ」、「第34回サンパウロ・ビエンナーレ」、「第14回リヨン・ビエンナーレ」をはじめ国内外の展覧会に参加。

ISBN:9784794973740
出版社:晶文社
判型:A5
ページ数:252ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ABA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:AMA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:MKL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:QDTM