草思社文庫
文庫 皮膚はいつもあなたを守ってる
単行本版
不安とストレスを軽くする「セルフタッチ」の力
著:山口 創
内容紹介
好評のロングセラー『手の治癒力』『人は皮膚から癒される』に続く最新作、待望の文庫化。
人とうまくかかわることができず、一人で孤独や不安を抱え込んでしまう人が増えている。
本書は身体心理学者である著者が、セルフタッチやセルフマッサージなどの「セルフケア」を通じ、
自分の手で自分の心身を癒やし、健康で幸福な状態に保つ具体的方法を提案する。
緊張やストレスが続いている人も、体の強張りにそっと手を当てて
緩めてあげることで、心も緩み、安心できるようになる。
日常的に自分に触れ、自分の実在感を意識することによって、
自分という存在のかけがえのなさを再認識できる一冊。
目次
はじめに
1章◎人はみな「ひとり」から始まる
触れ合いの制限で気づかされたもの
揺らぐ心の安全基地
自分の心を知るための二つの手がかり
私たちは縛られて生きている
ストレスをためない人の特徴
外からではなく内側から自分を感じる
出会いの場で起こる原初的なコミュニケーション
握手のあと匂いを嗅ぐ人たち
触覚と親密感
皮膚の温かさと心の安全基地の関係
同調圧力と身体の同調
人の身体は無意識に同調している
同調圧力の正体
身体は今の心の状態を教えてくれる
呼吸が教えてくれる本当の気持ち
姿勢に「生きる姿勢」が表れる
あなたを守る皮膚の役割
これからの時代に必要なセルフの力
セルフコミュニケーションの視点
スマホを使いすぎるとうつが増える
SNSのコミュニケーションでは癒やされない
2章◎自分を愛するセルフタッチ
境界としての皮膚の役割
皮膚は社会的な臓器である
自分とつながる、自分と隔てる
ストレスを感じたときにしている身だしなみ行動
動物のセルフケア
人のセルフケア
セルフタッチの効能
人は1時間に 23 回も自分に触れている
不安やストレスを鎮める
認知的なプロセスを助ける
自分に注意を向ける
「合掌」もセルフタッチの一種
セルフタッチと、他者に触れられることの違い
自分に触れると何が起こるのか
自分に触れることで自分の内側に気づく
触れることで分泌されるオキシトシン
触れるとオキシトシン受容体が活性化
皮膚はストレスを反映する
心の安全基地をつくるセルフタッチ
セルフタッチのやり方
セルフタッチの効果を高める
意識の向け方/ゆっくり触れる/圧をかける/クリームやオイルを使う
3章◎あなたをストレスから守る皮膚の力
葛藤する皮膚と心
皮膚は脳のように刺激に応答している
皮膚はストレスに応答している
皮膚はポジティブな刺激にも応答している
身体や皮膚を攻撃する病気
BFRBという病気
皮膚むしり症という病気
自閉症と自傷行為
心を映す皮膚感覚
好きな人に触れられる効能
自分を嫌いな人は、痛みから〝快感〞を感じる
痛みと快感は紙一重
無意識の行動を意識化してみる
セルフタッチを用いたストレス解消法
不安なとき
胸タッピング/メンタルクリアボタン
イライラするとき
フォアヘッド・タッピング/首・肩タッピング
落ち込んでいるとき
バタフライ・ハグ/頭皮タッピング
疲れているとき
フェイス・タッピング&プレス/熱めのシャワー
心のバランスを取り戻すために
4章◎幸せはいつも皮膚から生まれる
オキシトシンは自分で増やせる
五感を刺激する
嗅覚:ラベンダーはオキシトシンを分泌
聴覚:ゆったりしたリズムでリラックス
皮膚感覚:心地よい感触が幸福感を生む
味覚(食事):絆が深まる
視覚:目で愛でる効果
自分をいたわり、思いやる
マインドフルネスとオキシトシン
セルフコンパッションとは自分への思いやり
自尊心や甘やかしとは違う
タッチで伝わる感情
マインドフルネスのやり方
動物との触れ合いの効果
犬と人の相互作用とオキシトシン
普段から動物を飼育している影響
愛着障害や発達障害の場合
セラピードッグと自閉症
「人のため」は「自分のため」
日本人の心の源流
オキシトシンと利他的行動と健康
なぜ利他的行動をすると健康になれるのか
ワーク:慈愛の瞑想
感謝の気持ちが自分を癒やす
積極的な感謝の姿勢が大切
感謝の気持ちを持つだけでもリラックス
気持ちは表情より握手で伝わる
感謝の高め方1―感謝の瞑想
感謝の高め方2―感謝の日記
感謝のリストをつけよう
あとがき
文庫版あとがき
参考・引用文献