草思社文庫
文庫 ジャズで踊って
単行本版
舶来音楽芸能史 完全版
著:瀬川 昌久
内容紹介
戦前の昭和モダニズム文化の中でジャズがいかに華麗に花開いたか?
服部良一を「日本のガーシュイン」、笠置シヅ子を「日本人離れの奔放さ」と喝破!
NHK朝ドラ「ブギウギ」の原点がわかる名著、待望の文庫化!
NHK朝ドラ『ブギウギ』の主人公、笠置シヅ子、服部良一が天才ぶりを発揮し、エノケン、二村定一、あきれたぼういずが大衆を熱狂させた浅草レビューの時代。中川三郎、ベティ稲田が共演した伝説のタップ映画『舗道の囁き』。華麗な群舞で日本のステージショ-の歴史に偉大な足跡を残した日劇ダンシング・チームetc。戦前に花開いた日本のジャズとモダニズム文化を膨大な資料と同時代体験をもとに生き生きと描いた幻の名著が復刻。文庫版特別付録として「ジャズ批評 No.54」(ジャズ批評社)に1986年に掲載された著者の「五〇年代ニューヨーク滞在日記」、「毎日新聞」夕刊(2016年8月1日付)に寄せた「戦中に共通する反知性―敗戦から71年の今」、蓮實重彦著『伯爵夫人』(新潮文庫)の解説『随想「伯爵夫人」の時代と私のかかわり』を収録。日本を代表するジャズ批評家・瀬川昌久の仕事を辿る完全版。編者は映画批評家の高崎俊夫。
目次
まえがき(サイマル出版会版)――すべてが手探りだったあのころ
Ⅰ ジャズ・エイジ――日本中がうたった「青空」
はじめての出会い
映画の思い出
1 日本ジャズ・エイジの開幕
2 ある先覚者の情熱と挫折
3 大正・昭和ジャズメンの温床
4 ジャズ・ソング黄金時代を拓いた人びと
Ⅱ ダンス、ダンス、ダンス――高鳴るステップ、モダンのひびき
ダンスへの憧れ
1 社交ダンスは鹿鳴館から
2 モダン昭和のメッカ「フロリダ」
3 津々浦々にタップのひびき
4 一世を風靡した三世の歌姫
5 アメリカ帰りのグレート・ダンサー
Ⅲ スイング・エイジ――花と咲いたグランド・ショー
1 ショーとアトラクションの時代
2 吉本と新興のショー一騎打ち
3 稀代のエンタテイナー、エノケン
永井智子の「私の好きな歌手」列伝
4 集団の美を誇る日劇ショー
5 スイングづいた宝塚レビュー
6 松竹少女歌劇のスターたち
7 薄命の松竹楽劇団
Ⅳ ダンスとジャズの消滅――戦時下の禁圧とひそかな抵抗
終章 出陣学徒兵の回想
戦時中のジャズ音楽禁圧
学徒出陣から戦後の復員作業まで
今に生きるエノケン喜劇と服部ジャズ
あとがき(清流出版版)
文庫版付録
編者あとがき