草思社文庫
文庫 良心をもたない人たちへの対処法
単行本版
著:マーサ・スタウト
訳:秋山 勝
内容紹介
平気で嘘をつき、涙で同情を誘い、追いつめられると逆ギレ。
自分にしか興味がなく、他人を支配し傷つけ、人生を破壊する――。
じつはあなたの身近にひそんでいる「良心をもたない人」(ソシオパス)。
家庭のなかで、職場のなかで、あるいは親権をめぐる裁判、
ネット世界での執拗な攻撃等々、さまざまなシチュエーションを
豊富な実例をもとに臨床の専門家が分析。
彼らの支配から自分を、そして家族を守る具体的ガイドを提示。
被害者であることをはねのけて自由を取り戻すための必読の書。
目次
プロローグ 良心をもたない人たちとの戦い
ソシオパシーは〝ごく普通の人間〞として社会にひそむ
良心をもつ人が立ち向かうには
第1章 心に空いた穴──ソシオパシーを理解する
〝邪悪〞と呼ばれるものの正体
二人のジャック
ソシオパスがひた隠しにする本性
ソシオパスを定義づけるもの
捏造される〝魅力的な人物〞
司法の目さえあざむく
抜き差しならない関係
第2章 自分の血を引くソシオパス──良心をもたない子供たち
死体を探す少年
無邪気とは無縁の子供たち
良心をもたない子供たちの素行
大人とは異なる判断基準
「CU特性」という手がかり
脳内に残った〝すき間〞
診断の遅れがもたらす弊害
さいなまれ続ける身近な弱者
「正の行動」を積極的に強化する
経験を重ねながら作られていく脳の回路
「正の行動」に導くペアレント・トレーニング
良心をもたない子供から家族を守る
親たちに突きつけられる決断
適切な治療トレーニングと家族のケア
第3章 職場に巣くう邪悪な者たち──同僚と上司がソシオパスだった場合
パワハラとセクハラにひそむ悪意
助け合って生きてきた哺乳類の歴史
人間の邪悪を映した影
理不尽な悪夢
他人をおとしめ、支配する――ソシオパスの競争原理
〝閉鎖系〞の関係にはびこる職場のソシオパス
職場のソシオパスから自分を守る五つの原則
ソシオパスはなぜ専門職に多いのか
消え去ることのない怒りといら立ち
第4章 法廷のソシオパス──親権をめぐる戦い
本当の虐待親はどちらなのか
ソシオパスとの親権争い
離婚してもなお家族を支配する
法廷の駆け引きを楽しんでいる
時代にふさわしい〝ソロモンの剣〞
法廷を味方につける有効な戦い方
児童虐待に関する確認ポイント
ソシオパスの戦意をそぐ「無関心メソッド」
〝退屈〞という解毒剤
ソシオパスと戦い抜いた女性
ソシオパスから子供を守るために
第5章 もっとも冷酷な人間たち──命を奪うソシオパス
善良な市民の仮面をかぶった連続殺人犯
隣の家のソシオパス
虐待を受け入れていく被害者
無私の愛につけこむ
氷よりも冷酷な者たち
ソシオパシーを病む大量殺戮者の〝楽しみ〞
ネットにはびこる心なきサイバーリンチ
ネットいじめから自分を守るためのガイド
第6章 ソシオパスの影響圏を脱出する──自分を守る 10 のガイドライン
生き物たちの共感能力
ソシオパシーという心の監獄
ソシオパスと戦うための 10 のガイドライン
1 相手の正体を正しく理解する
2 自分は正しき側に立ち、最後まで戦い抜く決意を固める
3 戦いの前提を変えて同じルールで戦わない
4 目的の達成に集中する
5 望みのものを与えてはならない
6 自分一人だけではない
7 戦いは一生続くものではないが、辛抱強く向き合う
8 パニックにおちいってはならない
9 体調管理を忘れない
10 ソシオパスの暴力から身を守る
ソシオパスが抱える二つの弱点
第7章 ソシオパスとナルシシスト──反社会性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害
自分しか愛せない者たちの心の世界
他人の感情を〝感じ取る〞能力が欠落した人たち
適度な自己愛と病理的な自己愛
自己愛性障害か、それとも社会病質か
ナルシシストに〝感染〞しやすい人たち
三つの特徴でソシオパスを見極める
〝熱い〞ナルシシストと〝冷たい〞ソシオパス
永遠に埋まらないソシオパスの心の穴