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草思社文庫

文庫 フランス革命の代償

単行本版

著:ルネ・セディヨ
訳:山﨑 耕一

紙版

内容紹介

フランス革命はその栄光だけでなく、支払った代償も大きかった。

大革命からナポレオン帝政の25年間、戦場で、断頭台で、
どれだけの人間が死んだのだろう。
どのような芸術作品が生まれ、どれだけ文化財が破壊されたのだろう。
フランスは本当に人権の国、自由・平等・博愛の国になったのだろうか――。

人口動態、領土、法制、文化、芸術、農業、産業、商業、財政、社会の
各分野について、大革命前夜とナポレオン帝政崩壊直後を比較し、
革命がもたらしたものを検証する。
革命の負をあぶり出す斬新な切り口で、より正確な革命像を描き出した本書は、
フランス革命に関する貴重な書である。
解説=鹿島茂

目次

まえがき

第一部 人的要因

第一章 人口動態の決算
平和から戦争へ/国民の動員/名誉の戦死/亡命から斬首まで
ヴァンデーでのジェノサイド/出生率の回復/統計調査の始まり/集中化、老齢化/相対的衰退

第二章 領土の決算
アヴィニョンの再統合/ミュルーズとモンベリアール/北東部国境/ニース、モナコ、サヴォワ地方/大国家、大帝国/サン=ドマング (ハイチ) 島/カリブ海の他の島々/ギアナ、カナダ、ルイジアナ/インド洋にて

第三章 法制上の決算
権力の危機/立法権、執行権、行政権/パリ対地方、中央集権化/自由の獲得/人権をめぐる論争/封印状の終焉/失われた自由/女性の権利/体系の精神

第四章 文化の決算
学校/制度の存続/新しい制度/言語/方言との戦い/文学/出版、演劇、音楽/科学/ 技術

第五章 芸術の決算
ローマ風の仮装/帝政下での古代のパロディの継続/旅行者の証言/文化財破壊の諸原因/破壊の足どり/文化財破壊の技術/文化財破壊の代価/略奪の目録/キリスト教芸術への攻撃/宝飾品と家具の犠牲/貴重品の競売/より貧しくなったフランス

第二部 経済的要因

第一章 農業の決算
一七八九年以前のフランスの農村/一七八九年における農業技術/大革命前夜/所有の移転/収穫率の停滞/革新/生産の停滞/全体としてマイナスの決算

第二章 産業の決算
フランス対イギリス/フランス産業の目ざめ/大革命の入口で/ド・ウェンデル家の試練/プジョー家の誕生/パリ、もろい成功/織物業の幸福と不幸/産業化の苦心/得をした者

第三章 商業上の決算
一七八九年以前、国内取引の発達/対外貿易の拡大/国内商業の困惑/封鎖/密輸/港の抹殺/イギリスの勝利

第四章 財政の決算
貨幣の犠牲/新しい通貨/フランス銀行/公共支出/税/借入金/資本主義の爆発/贈賄者と収賄者/またもやイギリス

第五章 社会的決算
物価/賃金/購買力/生活水準/改造された社会

結論に代えて
ラ・セル=アン=エルモワにて/プランにて/過去を俯瞰してみると/終わりに、伝説の聖化/終わりに、作り替えられた世界

訳者あとがき
解説――フランスをかくも素早く立ち直らせたもの(鹿島茂)
関連年表

著者略歴

著:ルネ・セディヨ
ルネ・セディヨ
歴史家。ジャーナリスト。1906年生まれ。1999年没。長らく経済関係の週刊誌 La Vie Française の編集長を務める。著書にHistoire des socialismes、Histoire des colonisations、Histoire du pétrole, L’Histoire n’a pas de sensなどがある。
訳:山﨑 耕一
山﨑 耕一(やまざき・こういち)
歴史学者。1950年神奈川県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業。1980年同大学大学院博士課程修了。フランス近代史・社会思想史。元一橋大学教授。著書に『啓蒙運動とフランス革命』『フランス革命―「共和国の誕生」』(ともに刀水書房)、『フランス革命史の現在』(松浦義弘と共編、山川出版社)ほか、訳書にA・ソブール『大革命前夜のフランス:経済と社会』(法政大学出版局)などがある。

ISBN:9784794226341
出版社:草思社
判型:文庫
ページ数:496ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2023年02月
発売日:2023年02月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:3MLQZ-FR-A