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世界で最も美しい蝶は何か

増補新版

著:海野 和男

紙版

内容紹介

前著『図鑑 世界で最も美しい蝶は何か』の増ページ・増補版。
14ページ新ページを追加。全体で100種、写真350枚を収録。
新ページはアグリアスの雑種の変わり種、アジアとアフリカをつなぐマダガスカルの蝶、
ニューギニア新取材によるトリバネアゲハの新写真、台湾の蝶フトオアゲハ、
ナイジェリア・アフリカの怪蝶、そして「小さくても美しい蝶」など。

前著は一部の熱狂的蝶マニアに親しまれた名著であり、蝶の写真家・海野和男の代表作の一つ。
19世紀以来、多くの欧米の富豪マニアたちや採集家が追い求めたのは熱帯の見事な色彩の大型蝶であった。
代表的なものに南米のアグリアス(ミイロタテハ)やモルフォチョウ(青く輝く密林の蝶)、
ニューギニアのトリバネアゲハ(鳥と見まがう大きな蝶)などがある。
この三つを世界の三大美蝶というが、いまでも採集や写真撮影が難しい。
イギリスのダーウィンとかウォーレスといった進化生物学者や博物学者が夢中になって
探したのはこれらの蝶の美しさもさることながら学問的価値も大きいからだった。
進化論論争の証拠としての役割が大きかった。

本書はこうした熱帯の大型蝶のカラー写真図鑑として作られている。
著者が撮りためた標本写真や生態写真がふんだんに使われ、
まったく知識のない人が見ただけでも、これらの蝶の美しさに心惹かれることだろう。
他の類書と違うところは、著者の長年にわたる熱帯への関心、
渡航歴、取材採集・写真撮影歴が半端でないことだろう。

オビ・チラシなどのキャッチコピー文として「最も美しい蝶は、密林で青く輝くモルフォか、
多彩な変異が美しいアグリアスか? 熱帯の豪華な大型蝶たちの図鑑。
世界三大美蝶(モルフォ、アグリアス〈ミイロタテハ〉、トリバネアゲハ)など世界のマニアが
長年追い求めた熱帯の大型美蝶を、昆虫写真の第一人者が写真と文で解説。
ニューギニアのトリバネアゲハなど近年取材の成果、新しい写真や種類を追加して、
より充実した内容にした好評既刊書の大幅改訂版」とある。

目次

ミイロタテハ
華麗なる無限の模様 フルニエ・コレクション
100以上の型を持つ蝶 アミドンミイロタテハ
最も変化に富んだ蝶 ファルキドンミイロタテハ
コカの葉を食べる蝶 ヒューイットソンミイロタテハ
最も美しい蝶 クラウディーナミイロタテハ
最も大型のアグリアス アエドンミイロタテハ
ミイロタテハ 翅の裏面の変異
雑種のミイロタテハ

モルフォチョウ
青い光を点滅させて飛ぶ メネラウスモルフォ
美しい色彩変異 レテノールモルフォ
美しい翅の表 キプリスモルフォ
年に一度しか現れない アナクシビアモルフォ
暗い場所を好む アキレスモルフォ
林縁を舞うブルーモルフォ ペレイデスモルフォ
青くないモルフォ タイヨウモルフォ
出会うのが難しいモルフォのメス
白いモルフォ カテナリウスモルフォ

トリバネアゲハ
3色のトリバネアゲハ メガネトリバネアゲハ
ウォーレスとトリバネアゲハ 
世界最大の蝶 アレクサンドラトリバネアゲハ
鉄砲で撃ち落とされた蝶 ビクトリアトリバネアゲハ
山地性のトリバネアゲハ キマエラトリバネアゲハ
一番最後に発見されたトリバネアゲハ ロスチャイルドトリバネアゲハ
蛹が売られている チトヌストリバネアゲハ
翅の面積が最も広い蝶 ゴライアストリバネアゲハ
スンダランドを代表する遺存種 アカエリトリバネアゲハ
アカエリトリバネアゲハのいるところ

キシタアゲハ
アジアのトリバネアゲハ ヘレナキシタアゲハ
ゴールデンバードウイング アンフリサスキシタアゲハ
島の特産種 ボルネオキシタアゲハ
モルッカ諸島のキシタアゲハ サビモンキシタアゲハ
真珠色の幻光 コウトウキシタアゲハ
アジアとアフリカをつなぐ蝶 アンテノールオオジャコウアゲハ
スンダランドを代表するキシタアゲハとラフレシア

カラスアゲハ
種か亜種か? カラスアゲハ
気品ある美しさ ミヤマカラスアゲハ
尾状突起の短いカラスアゲハ
標高1000メートルから2000メートルに生息 オオクジャクアゲハ
標高2000メートルから3000メートルに生息 タカネクジャクアゲハ
タイでは絶滅した シボリアゲハ
ワシントン条約で保護された蝶 ルソンカラスアゲハ
青緑の紋が美しい蝶 ルリモンアゲハ
ルリモンアゲハより大型で蒼い紋も大きい カルナルリモンアゲハ
移行区に棲むカラスアゲハ アオネアゲハ
明るい美しいブルー ティモールアオネアゲハ
グリーンの帯とビロード状の性標 スンバアオネアゲハ
美しい小型の蝶 へりボシオオルリアゲハ
敏速に飛ぶ オビクジャクアゲハ
ゆっくりと飛ぶ オオオビクジャクアゲハ
輝きは南米のモルフォに匹敵 オオルリアゲハ
アフリカの怪蝶 ザルモクシスオオアゲハ
北杜夫の小説にも登場する フトオアゲハ
小さいけれど美しい蝶

著者略歴

著:海野 和男
海野 和男(うんの・かずお)
1947年東京生まれ。東京農工大学の日高敏隆研究室で昆虫行動学を学び、その後昆虫を中心とする自然写真家の道に進む。著書『昆虫と擬態』(平凡社)は1994 年、日本写真協会年度賞受賞。ほかに『昆虫顔面図鑑』『大昆虫記 熱帯雨林編』『蝶の飛ぶ風景』『昆虫記』『デジタルカメラで昆虫観』など多数。また草思社より『世界のカマキリ観察図鑑』『世界でいちばん変な虫 珍虫奇虫図鑑』など。日本自然科学写真協会会長、日本動物行動学会会員など。

ISBN:9784794224828
出版社:草思社
判型:B5
ページ数:144ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年11月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSVA2