出版社を探す

世界でいちばん変な虫

珍虫奇虫図鑑

著:海野 和男

紙版

内容紹介

珍虫奇虫を追い求め世界中を歩いて50年。
世界で最も奇妙な昆虫はなにか。たどり着いた結論とは。
著者は言う。昆虫とはすべて進化適応の過程で"珍虫奇虫"化しやすい存在だ。
しかし、ここでは一般の人にもわかりやすいとびきりの珍虫を取り上げた。
なぜこんな虫がいるのか。人間の想像を超えた、おかしな虫たち。
強烈な色彩、ヘンテコな形、不思議な生態。
何かの目的があって、そんな形をしているのだろうが、
説明のつくものと、まったくわからないものがある。
人間の空想などというものは大したことはないと思わせる。
すべてのデザイナーの想像を上回る色と形がある。
230種、写真300枚を集大成した海野流昆虫図鑑の決定版。
「強烈な色彩の蝶」「世界最大のゴキブリ」から「変な形の虫」
「特別気持ち悪い虫の集団」など、著者特写の昆虫たち。

<内容より>
珍しい色と模様――カメンバッタ/ジンメンカメムシ など 
珍しい形――テングビワハゴロモ/ユカタンビワハゴロモ など
大きい虫――ゴライアアスオオトビナナフシ/オオメンガタゴキブリ など
珍しい生態――タマオシコガネ(フンコロガシ)/コケムシゾウムシ など
不思議な集団――アツマリテントウ/コモリハバチ など 

目次

第1章 強烈な色彩・驚くべきデザイン――珍しい色と模様
●カーニバルの仮面をかぶって、目立ちすぎ カメンバッタ
●木の幹に同化。どこまでが虫なのか ヒラタコケツユムシ
●なぜ、「相撲取り」の顔をしているのか ジンメンカメムシ 
●どう見ても「寄り目」のようにしか見えない アカハネナガウンカ
●地味なガの仲間では最も美しい ニシキオオツバメガ
●ここまで似せなくても、いいのではないか マネシアゲハ
●オレンジ色だったり、緑色だったり トリバネアゲハ 
●マニア垂涎、この美しい色と模様 ミイロタテハ
●ジャングルで青く輝く奇跡のチョウ モルフォチョウ
●88とか89というのは何の数字か  ウラモジタテハ
●赤い斑点が太陽を思わせる アポロチョウ
●美しいものには毒があるという真理 ドクチョウ
●目立つからかえって鳥の目を逃れる タマムシ
●「森の宝石」は、すりつぶしてもムダ キンイロコガネ
(コラム)世界で最も恐れられている昆虫 ハマダラカ

第2章 ヘンテコな身体の形態――珍しい形
●立派な天狗の鼻は何のため? テングビワハゴロモ 
●ピーナッツのような、ワニの顔のような ユカタンビワハゴロモ
●「ありえない虫」のなかでも、とびきりの突起 ヨツコブツノゼミ
●お尻の白い毛の束がじつに奇っ怪だ ベッコウハゴロモの幼虫 
●とげがあったり、なかったり  トゲナシトゲハムシ
●メスだけがこんな古代生物のような形 サンヨウベニボタル
●金色に輝き、カメのように丸くなる ジンガサハムシ
●キリンのように長い首で闘う キリンクビナガオトシブミ
●大きいのに、やけに薄っぺらい バイオリンムシ
●大顎でヘビのように嚙みつく オオアゴヘビトンボ
●トンボのように飛ぶが、長い触角がある キバネツノトンボ
●バッタなのに飛べないし、小枝のような身体 オウサマボウバッタ
●これは苔ではない、キリギリスなのだ サルオガセギス
●この大きな赤い肉角が不気味だ アカエリクロギリス
●葉脈のような筋まであって、木の葉そのもの コノハムシ
●枯葉のように丸まったり、芸が細かい 熱帯に棲むカマキリ
●習性が近いと形もよく似る カマキリモドキ
●透き通った翅で森の中に消えていく ベニスカシジャノメガほか
●長い尾はジャマじゃないのか スソビキアゲハ
●こういうのを「キモかわいい」というのか モクメシャチホコの幼虫
●これってヘビにしか見えないよね スズメガの幼虫
●潜望鏡のように異様に飛び出した眼 シュモクバエ
(コラム)世界で一番怖いハチとアリ オオスズメバチ、パラポネラなど

第3章 デカっ! 何でこんなに大きいの?――大きい虫
●高速でブーンと飛ぶ世界最大のハナムグリ ゴライアスオオツノハナムグリ 
●重くてデカくてトゲだらけ サカダチコノハナナムシ
●最も長いナナフシはどれか ゴライアスオオトビナナフシ
●世界最大のゴキブリは意外と上品 オオメンガタゴキブリ
●前脚が異常なほど長いゾウムシ テナガオサゾウムシ 
●こんなにも前脚が長いカミキリムシ テナガカミキリ 
●世界最大のカミキリムシはこれ タイタンオオウスバカミキリ
●世界最大のカブトムシはどれか アクテオンゾウカブトなど)
●最大最強のクワガタは?  マンディブラリスフタマタクワガタ  
●恐るべき怪力、最大のゾウムシ タイショウオサゾウムシ
●世界一尾の長いガ マダガスカルオナガヤママユ
●世界一羽が大きいガ ヘラクレスサン
●羽の幅ではこれがいちばん ナンベイオオヤガ 
●世界最大のツユムシ キョジンツユムシ(オオノハツユムシ)
●いかつい顔でにらまれたらビビる トゲトゲギス
●体も大きいが声もでかい アシナガオオコノハギス
●ものすごい声でなく世界最大のセミ テイオウゼミ
●鳥と間違えられたぐらい大きい ビクトリアトリバネアゲハ
(コラム)虫を食べる ラオスの昆虫食

第4章 どういう目的でこうなった?――珍しい生態
●新鮮な糞が好きなんです タマオシコガネ(フンコロガシ)
●苔のむすまでじっとしている コケムシゾウムシ
●ランの花とともに進化していった キサントパンスズメガ
●これほど花に似ていれば、だまされる ハナカマキリ
●チョウのようだけど、れっきとしたガなのだ! カストニア 
●獰猛で、メスだけで勝手に生きている サガペド
●オスは、させてもらうために贈り物をする オドリバエ
●ハワイにいる珍種ショウジョウバエ ハンマーヘッドハワイショウジョウバエ
●常軌を逸したヘラジカのような角 シカツノバエ
●お尻に顔があり、後ろ向きに歩く ウシロムキアルキ
●タランチュラさえ一撃で仕留める最大のハチ オオクモカリベッコウ
●枝に化ける、天才といってもいい巧みさ セラピテスオオトビナナフシ
●なぜクワガタにそっくりなのか クワガタマルカメムシ  
●大顎ですさまじい喧嘩をするハチ オオキバドロバチ 
(コラム)ルソン島の成り立ちを伝えるアゲハチョウ ベンゲットアゲハ

第5章 グロい、気持ち悪いけど、面白い――不思議な集団
●まずは、美しい集団からお見せしよう ホタルの木
●雪解けした地面に真っ赤にうごめく  アツマリテントウ
●アリそっくりの群れだが、よく見ると怖い アリカマキリ 
●集まると気持ちが悪い虫を選ぶと カメムシ、オビモンアゲハの幼虫など
●この世のものとは思えない不気味さ オオカバマダラ
●この集団給水はいつ見ても面白い アカエリトリバネアゲハ
●集団で移動しながら狩りをする奴ら グンタイアリとサスライアリ
●栽培し、塔を作り、せっせと働く ハキリアリ エントツキノコシロアリ
●天と地を逆さにしたアリたち ツムギアリ、アカシアアリ、セクロピアアリ
●弘前での大発生は何を意味するのか アカシジミ 
Index ─学名索引

著者略歴

著:海野 和男
海野 和男(うんの・かずお)
1947年東京生まれ。昆虫を中心とする自然写真家。東京農工大学の 日高敏隆研究室で昆虫行動学を学ぶ。アジアやアフリカで昆虫の擬態写真を長年撮影。著書『昆虫の擬態』は1994年、日本写真協会年度賞受賞。主な著書に『蝶の飛ぶ風景』『昆虫 顔面図鑑』、また草思社より『図鑑 世界で最も美しい蝶は何か』『甲虫 カタチ観察図鑑』『世界のカマキリ観察図鑑』『海野和男の蝶撮影テクニック』など。日本自然科学写真協会会長、日本動物行動学会会員など。海野和男写真事務所主宰。公式ウェブサイトに「小諸日記」がある。http://www.goo.ne.jp/green/life/unno

ISBN:9784794224378
出版社:草思社
判型:B5
ページ数:128ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2020年01月
発売日:2020年01月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PSVA2