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色名その意味と文化

著:福田邦夫

紙版

内容紹介

多くの色彩書が、いわば現代の色彩研究の表通りを主として紹介するものであるならば、本書は裏通りや横丁、路地の奥まで足をのばして、もう少し身近な色の実感を確かめてみることが主な内容である。すでにさまざまな形でとりあげられているような実用的「色彩入門」ではなく、個々の色を主役として、色の多義的な解釈を紹介するものである。色とは本来美しいものであるならば、色名もまた、やはりその象徴であるべきだ。さまざまな色にゆきあたりながら、その意味と文化を縦横に考察しつつ、色のもつ象徴性をいま一度考えてみる。『赤橙黄緑青藍紫』の改題復刻新版。

目次

改題再新版にあたって/序にかえて/まえがき
Ⅰ章 色の分類/1 日本人の色の呼び方/2 色名はどこまで翻訳できるか/3 色と色名の関係は時代とともに変わる/4 色と色名の順番
Ⅱ章 赤そしてピンク/1 赤―色彩象徴の森/赤紫、紫味の赤/いわゆる赤と黄味の赤/2 ピンク―幸福な人生そして悲哀
Ⅲ章 橙と茶色の仲間/1 朱色―赤と橙の間の東洋美/2 橙(オレンジ)―時には自然、ある時は不自然/うすい橙―いわゆる肌色について/3 茶色(ブラウン)―平凡または自然美/橙と茶の境界/赤味の茶/いわゆる茶色/黄味の茶色…96 明るい茶、薄い茶―素材の美
Ⅳ章 金色と黄色そしてオリーヴ/1 金色―神秘と通俗/2 黄色―現実主義、効率主義の象徴/明るい黄、薄い黄/鈍い黄、灰味の黄/3 オリーヴ―暗い黄の変容
Ⅴ章 緑/1 黄緑―いわば自然の恵み/鈍い黄緑、灰黄緑/濃い黄緑、暗い黄緑/2 緑―安全と平和、理想と郷愁/緑色の固有色名/鈍い緑、柔らかな緑/明るい緑、薄い緑/3 青緑―緑と青の境界
Ⅵ章 青/1 青―空と水の抽象/緑味の青/最も日本的な青/紫味の青と濃い、深い青/2 明るい青―空色
Ⅶ章 紫/1 西洋の紫、日本の紫/2 青味の紫―菫色、藤色、季節の花々/3 紫―古代日本の色の王者/紫の価値観/紫の色名分類
Ⅷ章 無彩色―白・灰色・黒/1 無彩色―色味のない色/2 白―古代で最上の色、現代人の嗜好色/3 灰色―白と黒に及ばぬ無彩色、色彩の尽きるところ/明るい灰色/普通の灰色/暗い灰色/4 黒―光の究極、光の起源
色名索引

著者略歴

著:福田邦夫
1931年京都生まれ。東京教育大学教育学部芸術科卒業。(財)日本色彩研究所、(財)日本色彩社、(社)日本流行色協会、九州産業大学芸術学部助教授、(財)日本色彩研究所企画管理部長を経て、女子美術大学大学院教授を歴任。主な著書に『カラーハーモニー』『忘れられ失われた奇妙な色を追って Ⅰ』『ミステリーと色彩』(青娥書房)、『日本の伝統色』『西洋の伝統色』(読売新聞社)、『色の名前』(主婦の友社)など。共著に『色の歳時記』『色の博物誌』(朝日新聞社)、『THE COLORS OF JAPAN』(講談社インターナショナル)などがある。

ISBN:9784790603924
出版社:青娥書房
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2022年09月
発売日:2022年09月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:AFT