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現代人飽食のなかの栄養失調

栄養と和漢薬で心身の病を治す 教育より食育を!

著:会田 秀介

紙版

内容紹介

 体と心を形成するのに第一にあげられるものは遺伝子と考えられている。遺伝子はヒトの設計図ともいえよう。しかしながらヒトが健全に生きるには設計図にあたる遺伝情報がすべてではない。ヒトの体は100パーセント食べ物によってできている。ゆえに健全な精神はしっかりした肉体条件が必要条件である。
 現代日本はモノ余りである。豊富に食べ、栄養に満たされているようであるが、実はさまざまな障害があふれている。偏りがはなはだしく、気づかぬうちに実は栄養失調に陥っているのだ。現代のマジョリティといってもおかしくない。
 日々さまざまな患者さんと接する開業医が、患者さん一人一人を丁寧に診た上で行き着いた治病のすすめが本書である。それは栄養療法、和漢薬サプリメントであり食養である。食の大切さ、また食の崩壊の警鐘を鳴らしながらわかりやすく説く。
 病を栄養で正す。体内ドクターを育て、活躍させよう。ドクターを外に求めるのではなく、体の内にこそドクターはいると考えよう。体の内のドクターを名医にするか、ヤブ医者にするかは、あなたの食生活における、心構えで決まる。体内ドクターは決して薬を使わない。食べ物から得られた栄養で体力、免疫、内分泌、神経、筋肉骨格の状態を良くして、疾患を予防し、また治療するのである。

目次

はじめに
第1章 栄養障害をどうとらえるか
子供の皮膚や粘膜は弱くなっている/徳川将軍達の健康/明治時代は脚気が国民病/栄養失調の歴史と心身の病/少子化の原因/女性の栄養は足りていない/子供達の体力は低下している/気血水について/血虚から見える子供達の健康/子供達の発達障害について/学校で栄養の改善を、子供達の営養的救済を/母乳は充分な栄養を与えられないこともある/砂糖は虫歯をつくり、代謝やホルモン環境を障害する/植物性油脂は摂り過ぎないようすべきだ/小麦は最大のアレルゲン/品種改良した果物も要注意/食に快楽を求めれば苦しみの反動がくる/肥こそ最高の肥料だった/中高年も食べ物の悪影響が/栄養障害の歴史的経過
第2章 現代医学は心身の障害を治すには不十分
有害物質と紙一重の化学物質が拡散している現況/薬は化学製品である/企業検診の体験から/変わる糖尿病の薬/高脂血症薬などにも副作用がある/子宮頸がんワクチン騒動がもたらしたもの/ホルモン療法の問題点/風邪薬も考えよう、抗生剤、解熱剤も要注意/抗うつ薬や睡眠薬、向精神薬も過量の使用はよくない/ガイドラインとは/現代医学の限界/医療は総合的立場から
第3章 ヒトの体と栄養、そして和漢薬とのかかわり
営養はすべて海と大地からくる/人体の構成栄養について/臓器と細胞/脳の栄養/糖質について/タンパク質・アミノ酸について/脂質について/ビタミン/ミネラル
第4章 心身の障害をどう治すか
現代医療で診断がつかなければどうなる/心の病は体から/カンウセリングより栄養指導/心の病には良い食養と栄養療法、和漢薬で/心の病こそ内科的検査が必要/糖質制限などの食養の重要性/玄米はすばらしい/食養の主食は玄米にすべき/口腔内アレルギー症候群が増えている/小麦は破壊された食材/肉魚は必要なタンパク源/植物性油より動物性脂を摂ろう/野菜などの生食を増やそう/体に良い食べ物とは/食事を作る主婦は家庭の幸せを支える医師であり教育者である/患者さんに第一に指導する食養とは/天才参謀の頭脳を支えた豆/リーキーガット症候群を起こすカンジタ菌/食養は心の病を克服する近道/身体疾患にも食養は効果的/趣向品は薬、過飲過食すれば有害/栄養失調は悪循環/治病のための食養/向精神薬を減らす努力を/体調不良は脚気を疑うことも/睡眠と心の30ヶ条/疾病には医薬品か和漢薬サプリメントの選択も
第5章 ケースレポート(1~31)
1. 夜尿症がビタミンB6で消失/2. 不登校が和漢薬と食養、栄養療法、運動で軽快/3. チック症がヘム鉄とビタミンBで軽快/4. トゥレット症候群が小建中湯と栄養療法で消失/5. アスペルガー症候群を糖質制限で治す/6. 4才の自閉症スペクトラム男児(ADHDとアスペルガー症候群)に小建中湯と食養が効いた/7. じんましんが食養と桂枝加黄耆湯で軽快/8. 糖質制限と栄養療法でDPP4製剤の使用を止めることができた糖尿病症例/9. 脊椎管狭窄症による腰痛にコンドロイチン・ヒアルロン酸と和漢薬で/10. 階段歩行困難な膝関節症がコンドロイチン、プロテインとビタミンBで軽快/11.12. 動悸発作とこむら返りがマグネシウムで消失/13. 食後のふるえ、めまいが和漢薬と食養、栄養療法で消失/14. パニック障害を食養、栄養療法と和漢薬で治す/15. 失神、過呼吸、脱力に食養、カンジタ症にオリーブ葉/16. うつが玄米と香蘇散で、不眠症がカフェイン断ちで消失/17. 学校になじめず問題行動の多い中学生への食養/18. 重症不眠症、呼吸苦、肩こり、頭痛が帰脾湯と食養で/19. うつ、パニック障害を清暑益気湯と食養、栄養療法で/20. 小麦を止めることで逆流性食道炎が軽快/21. 認知症にミミズエキスが著効/22. 無気力、夜間頻尿、息切れがミミズエキスで軽減/23. 和漢薬と栄養療法で気管支喘息患者さんの吸入ステロイドが不要になった/24. びまん性汎細気管支炎にオリーブ葉、ラクトフェリンが有効/25. ステロイド点滴を受けていた重症気管支喘息患者が食養で軽快/26. 重症じんましんに消風散、亜鉛、ビタミンAと馬油が著効/27. 過敏性大腸炎がラクトフェリンと桂枝加芍薬湯で著効/28. 無機鉄剤が無効な鉄欠乏症がヘム鉄で消失/29. 10年間不妊症治療を受けている女性が当帰芍薬散と栄養療法で2ヶ月で妊娠/30. 過食に悩む女子学生が和漢薬、食養と栄養療法で軽快/31. 幻覚幻聴に通導散と栄養療法の併用で有効
おわりに

著者略歴

著:会田 秀介
1950年福島県に生まれる。1976年昭和大学医学部卒業。医師、医学博士。1987年会田クリニック開院。会田クリニック院長。著書に『医と石仏・庶民の治病信仰』(青娥書房)がある。

ISBN:9784790603764
出版社:青娥書房
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:1100円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ