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CQ文庫

ラズパイ電子工作&光の実験で理解する量子コンピュータ

ちょこっと未来の技術を今のうちに体感

他著:藤井 啓祐
他著:武田 俊太郎
他著:束野 仁政

紙版

内容紹介

ラズベリー・パイとPICマイコンを使って量子演算電卓の製作にチャレンジします.また,重ね合わせの原理や干渉といった光の実験を通して,量子コンピュータの挙動を理解します.難しい数式は極力使わず,手を動かすことを優先しました.

目次

本書は主に月刊『Interface』2019年3月号の特集「算数&電子工作から始める量子コンピュータ」の内容を再編集・加筆してまとめたものです.

目次

●第1部 基礎知識から光の実験まで

◎ニュータイプ計算機 量子コンピュータの現状
●第1章 なぜ知っておく必要があるのか
■ 注目の理由
■ 現在…中規模量子デバイス時代
■ これからの期待

◎従来とは違う原理の計算機がもたらすもの
●第2章 広がる世界
■ 量子コンピュータでできるもの
■ 得意技1:量子の世界そのものの計算
■ 得意技2:量子とは関係のない計算
■ アルゴリズムの進化という恩恵
■ 将来見えてくる世界

◎原点からさかのぼる
●Appendix1 歴史
■ 物理学の歴史
■ コンピュータの歴史
■ 量子力学とコンピュータの出会い
■ 第1次ブームの到来
■ 第2次ブームの到来

◎従来のコンピュータのビットとは根本的に違う
●第3章 数式なしから始める
■ 量子コンピュータを支える量子力学の世界
■ 0でも1でもない重ね合わせ状態を表現できる「量子ビット」
■ ちょっと詳しく…量子ビットの表現に複素数を使う理由
■ 重ね合わせや干渉以外の量子ビットのルール
■ 量子ビットを使った電子コンピュータの演算
コラム 量子ビットで複素数を用いる理由を数式から見てみる

◎量子ビットの理解に欠かせない「重ね合わせの原理」&「干渉」
●第4章 イラストで量子力学

◎身近な道具ではじめる不思議量子の世界
●第5章 数千円で量子力学の現象を体感できる実験
■ 実験に必要な道具
■ 実験1:偏光板を使って「量子ビット」を測ってみる
■ 実験1-1:偏光板の特性を確認する
■ 実験1-2:重ね合わせの量子ビットの測定
■ 実験1-3:測定により量子ビットの状態が変わる
■ 実験2:量子の干渉を確かめる
■ 実験2-1:2つの経路を通った光子の干渉
■ 実験2-2:経路の識別と干渉の消失
■ちなみに…全ての実験は量子力学を使わなくても説明は可能

◎どのような装置で実現できるのか?代表的な方式の整理
●第6章 ハードウェア大研究
■量子コンピュータのハードウェアに求められること
■ 量子コンピュータの「誤りの訂正」
■ 量子コンピュータのハードウェア開発最前線
■ 方式1:超電導回路
■ 方式2:イオン
■ 方式3:シリコン
■ 方式4:光
コラム パイオニア的存在の量子アニーリング・マシン

●第2部 ラズパイ電子工作

◎研究者じゃなくても知っておきたい時代が来ている
●第1章 エンジニア的量子コンピュータのすすめ
■ 今から知っておきたい電子コンピュータ
■ 量子コンピュータで広がる私の夢
コラム 電子コンピュータが得意だとよく話題にのぼる「巡回セールスマン問題」
■ 鍵となる分野…量子力学

◎1量子ビットを1PICマイコンで実現してみる
●第2章 今回作るもの…擬似的な量子演算電卓
■ 電子工作で量子コンピュータ(もどき)を作る
■ できること…量子コンピュータ的ビット操作

◎まずは1ビットからはじめる
●第3章 PICマイコンによる1量子ビット演算電卓の製作
■ ハードウェア 149
■ ソフトウェア 151
コラム 本物の量子コンピュータに近づけるための工夫
■ 量子ビットをラズパイから制御する
■ キーパッドから操作する

◎本格的な量子コンピュータへの第一歩
●第4章 1量子ビットから5量子ビットに拡張する
■ 5量子ビットに改造する
■ 量子演算に挑戦する
■ 量子演算プログラム
■ 動作確認
■ 疑似量子電卓で足し算をする

●第3部 PCでためす

◎Pythonで動作するQiskit
●第1章 量子用ライブラリを試す
■ 量子コンピュータが期待される理由
■ 古典コンピュータとのちがい
■ 理解に必要な概念…「量子ビット」
コラム 量子コンピュータの歴史
■ 量子プログラミングをはじめる

◎アルゴリズムの解読と量子回路の実装
●第2章 最初に見つかったアルゴリズムをシミュレーションしてみる
■ 量子コンピュータの可能性を最初に示した「ドイッチュのアルゴリズム」
■ 量子回路
■ 量子回路のシミュレーション

量子コンピュータに必須の
●第3章 誤り訂正
■ 紹介すること…量子コンピュータの誤り訂正
■ 古典コンピュータの誤り訂正おさらい
■ 量子誤り訂正のアルゴリズム&プログラム
■ 量子アルゴリズムは進化中

◎量子コンピュータの応用例
●第4章 コンテストの問題に挑戦
■ ここでとりあげる量子プログラミング・コンテストの問題
■ 問題1
■ 問題2
コラム 量子コンピュータの応用

◎なんとかこれくらい理解できれば…
●Appendix2 高校数学でひもとく量子力学
■ 量子力学に必要な高校数学1:複素数
■ 量子力学に必要な高校数学2:ベクトル・行列
■ 大学レベルの量子力学の世界

◎ソースコードを眺めながら
●Appendix3 C言語でひもとく量子力学
■ 量子計算の基本ルールその①…量子ビットの記述
■ 量子計算の基本ルールその②…1量子ビットの基本演習
■ 量子計算の基本ルールその③…複数量子ビットの演算
■ 2量子ビットの基本演算…CNOT
■ n量子ビット演算
■ 省メモリでシミュレーションする方法
■ まとめ

◎ソフトウェアから見る量子コンピュータの動向
●Appendix 4 注目の量子コンピュータ用ライブラリあれこれ
■ クラウド経由で誰でも使える量子コンピュータが出てきている
■ 実機が実用レベルに達するまではお手軽なシミュレータを試すのがよい
■ 実機でもシミュレータでも使える量子コンピュータ・ライブラリ
■ 注目ライブラリ1:Qiskit
■ 注目ライブラリ2:Cirq
■ 注目ライブラリ3:pyQuil
■ 注目ライブラリ4:SymPy
■ Python以外の量子コンピュータ・ライブラリの動向

ISBN:9784789850506
出版社:CQ出版
判型:新書
ページ数:304ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB