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脳科学革命

脳と人生の意味

著:P.サガード
著:無藤 隆
他訳:松井 由佳

紙版

内容紹介

◆脳科学から言えること◆

われわれは科学時代に生きていますが、いまだ心は身体には帰すことのできない何か特別なものと見なしがちです。しかし脳科学の進歩は、人が世界を知覚し、推論することを可能にしている脳内プロセスを明らかにするとともに、人間の道徳性や生きることの意味といった哲学の根本的問題にも科学的な回答を与えつつあります。そして、人々の考え方に、コペルニクスの地動説やダーウィンの進化論に匹敵する革命を起こしつつあります。では、脳科学革命は、私たちの世界の認識にどのような変化をもたらすのでしょうか? それは生きることの意味や価値とどうかかわるのでしょうか? 認知科学、脳科学、哲学の広範な研究範囲にわたって世界をリードしてきたサガードの、同時代人へのメッセージです。

目次

脳科学革命─目次

はじめに 
謝  辞

第1章 人には知恵が必要だ
なぜ生きるのか?
知恵の源
哲学的アプローチ
心と脳の関連性
本書に書かれていること
結 論 

第2章 証拠は信仰より強し
信仰 対 証拠 
信仰はいかに働くか 
証拠はいかに働くか 
科学における証拠と推論 
医学─証拠か信仰か 
証拠、真理、神 
アプリオリな推論と思考実験 
結 論 

第3章 心は脳である
脳科学革命 
心が脳である証拠 
二元論を支持する証拠? 
心脳同一説への反論 
あなたは何者なのか? 
結 論 

第4章 脳が現実を知る方法
現実は捉えられないか 
物体について知る 
見かけと現実 
概 念 
知覚を超えた知識 
脳における整合性 
整合性と真理 
結 論 

第5章 脳はいかにして感情を感じるか
感情は重要である 
脳内での価値判断 
認知的評価 対 身体状態の知覚 
統合─EMOCONモデル 
感情の意識 
さまざまなレベルでの説明 
合理性と感情に伴う問題 
結 論 

第6章 脳が意思決定する方法
難しい決断 
最良の計画への推論 
脳の中の意思決定 
目標を変える 
なぜ間違った意思決定がなされるのか 
自由意志なしに生きる 
結 論 

第7章 なぜ生きることに価値があるのか
生きることの意味 
虚無主義 
幸 福 
目標と意味 
愛 
仕 事 
遊 び 
結 論 

第8章 欲求と希望
欲望 対 欲求 
生きていく上で不可欠な欲求 
愛・仕事・遊びによって欲求が満たされるしくみ 
バランス、整合性、そして変容 
希望 対 絶望 
結 論 

第9章 倫理的な脳
倫理的な決定 
良心と道徳的直観 
ミラーニューロン 
共 感 273
道徳的動機 
道徳論 
道徳的客観性 
責 任 
結 論 

第10章 本書から言えること
見出されたつながり 
得られた知恵 
国はどのような政府をもつべきか 
創造的な変化はどのように生まれるのか 
数学的知識とは何か 
なぜ何もないのではなく、何かがあるのか 
知恵のこれから 


注  
監訳者あとがき  
文献  (17)
用語集  (11)
事項索引  (4)
人名索引  (1)
装幀=臼井新太郎
カバー写真=スズキアサコ

ISBN:9784788513211
出版社:新曜社
判型:4-6
ページ数:424ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2013年01月
発売日:2013年01月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD