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郡上八幡 伝統を生きる

地域社会の語りとリアリティ

著:足立 重和

紙版

目次

◆郡上八幡 伝統を生きる――目次
序 章 郡上八幡へようこそ
1 あるフィールドワークの一日
2 地域社会の語りとリアリティ
3 語りと語りえぬもの――コンテクストとは何か
4 郡上おどりの保存と継承――第Ⅰ部へむけて

第Ⅰ部 郡上おどりを踊る

第1章 「城下町」というリアリティ――
郡上八幡の社会学的スケッチ
1 城山に登ってまちを見わたす
2 郡上八幡城―まちのシンボル
3 「水のまち」の原型
4 文化の薫りただようまち
5 「城下町」というリアリティ

第2章 郡上おどりの「保存」――
伝統文化のリアリティをささえる推論
1 かたちがないものの保存とは
2 郡上おどりの現在
3 「保存」というリアリティの維持
4 伝統文化の保存にはたらく推論

第3章 郡上おどりの「独自性」――
あいまいさを管理する方法
1 「独自性」のあいまいさ
2 「現地の人々の主体性」という表象
3 郷土史家による踊りの本質化
4 あいまいさを管理する方法
5 地域らしさの不安定さ

第4章 〝風情〟という審美的リアリティ
1 不可解な地元住民の語りと動き
2 盆踊りの歴史的コンテクスト
3 〝風情〟がささえる地域づくり
4 生きざまに根ざす地域づくり

第5章 ノスタルジーがささえる伝統文化の継承
1 「観光化される伝統文化」再考
2 〝ボランティア〟がささえる「保存のイデオロギー」
3 ノスタルジック・セルフと伝統文化の継承
4 歴史的環境保全としての伝統文化の継承
5 第Ⅰ部・小括

第Ⅱ部 長良川を守る

第6章 直接対話のもどかしさ
――長良川河口堰をめぐる分離型ディスコミュニケーション
1 長良川河口堰をめぐる地元のリアリティ――第Ⅱ部へむけて
2 長良川河口堰問題と反対運動の経過
3 新しい文化=政治運動としての河口堰反対運動
4 ディスコミュニケーションの二類型
5 円卓会議における対話
6 ディスコミュニケーション能力

第7章 対話を拒むレトリック
――長良川河口堰をめぐる対決型ディスコミュニケーション
1 公共事業をめぐる対立
2 コミュニケーションの非対称性
3 対話を拒む説明と説明を拒むシークエンス
4 公共事業をめぐる対話の可能性と不可能性

第8章 運動の分裂と自己正当化の語り
――住民のカテゴリー化による微細な抵抗
1 地域社会の軋轢
2 「守る会」分裂の経過と当事者の語り
3 例外の出現
4 「あいつはここに住んでいない」という語り
5 カテゴリー化の遂行と語りの正当化過程

第9章 「町衆システム」という仕掛け
――地域社会の意志決定システム
1 地元住民になる条件
2 「守る会」の意志決定システムと住民の総意
3 地域社会の公論を導く仕掛け

第10章 論争としての観光・環境問題
1 観光現象と伝統文化の社会学・人類学・民俗学研究
2 環境問題の社会学における被害・加害・解決論
3 環境運動の意志決定への社会学的研究
4 第Ⅱ部・小括

終章 郡上八幡の人々の生きざまに学ぶ
1 フィールドの〝ちから〟
2 郡上八幡の人々の生きざま

あとがき

参考文献

人名索引・事項索引

装幀 中井瑠依

ISBN:9784788512023
出版社:新曜社
判型:4-6
ページ数:336ページ
定価:3300円(本体)
発行年月日:2010年07月
発売日:2010年07月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB