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経験のための戦い

情報の生態学から社会哲学へ

著:エドワード・S・リード
訳:菅野 盾樹

紙版

内容紹介

心理学に新風を吹き込んだ『アフォーダンスの心理学』(新曜社)で知られるリードは、将来を嘱望されながら42歳の若さで亡くなりました。本書は、ギブソンの生態学的心理学とデューイなどのプラグマティズムを社会哲学に応用した遺作ともいえる書です。インターネットなどのメディアの発達で、人間の「経験」はますます「間接的」なものになってきていますが、リードは独自の生態学的情報理論をもとに「直接経験」の必要性を説きます。関係性とプロセスの働きの結果としての「主体」概念から始めて、教育、労働、遊びなど多面的分野で人間的経験の復権を訴えます。新しい経験の時代に入った今、われわれは何を経験しているのか、振り返ってみるのに最適の書といえるでしょう。

目次

経験のための戦い 目次
序章 経験のための抗弁
第1章 あなたはこれまで経験を経験したことがあるか
――哲学は実在世界に直面する
現実世界から遊離した哲学者たち/経験を救うためのプラグマティックな試み
第2章 経験の哲学を探究する
デューイの自由の哲学/人間性とその鏡/進歩への展望
第3章 不確実性の恐怖と経験からの逃走
邪悪な霊/心の機械加工/現実の脅威
第4章 現代の職場における経験の衰退
お神籤入りクッキー工場にて/引き裂かれた生活、断片化された労働/ 労働の機械化
第5章 経験を共有する
世界に触れつづけること/世界に門戸を開くこと/ポスト・モダニストはなぜ寝そべってテレビ視聴に耽るのか
第6章 経験と生活への愛
行いはどうして行われるのか/エロティックな経験/経験を育むこと/すべての経験は同等につくられるのか?
第7章 経験と希望の誕生
取引という経験/<ほんもの>を超えて/経験の成長/経験を評価すること、民主主義を評価すること/希望
終章  経験のための戦い
解説をかねた訳者あとがき
文献案内
索引
装幀 桂川 潤

ISBN:9784788511910
出版社:新曜社
判型:4-6
ページ数:274ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2010年03月
発売日:2010年03月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTK
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX