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幸せを科学する

心理学からわかったこと

著:大石 繁宏

紙版

内容紹介

誰しも、幸せになりたいと願っています。幸せは人間にとって永遠の課題なので、幸せに関する本もたくさん出版されていますが、ほとんどは哲学者や宗教家、小説家によるものです。心理学の実証的な研究にもとづく幸せについての本はありませんでした。従来の心理学では、幸福感といった主観的なことがらは研究対象として認められなかったからですが、近年になって研究方法が進歩するとともに、人々にとって重要なことがらを研究することが重要視されるようになり、幸せに関する研究も一挙に進みました。この本を読めばすぐ幸せになれるほど人生は甘くありませんが、しかし、幸せへのヒントはたくさん詰まっています。

目次

はじめに

第1章 幸せと理想の人生
幸福とは?
幸福観の文化差
第2章 幸せとは何か?――西洋哲学の考え方
アリストテレスの理論
その他のギリシャ哲学
第3章 幸せとは何か?――東洋哲学の考え方
孔子
仏教
第4章 文化と幸せ――文化心理学からの視点
文化と人間の本質
理想の人間像
協調性と幸福感
文化と対人関係
幸せは、人に見せるもの?
幸福感の記憶
文化と幸福感――まとめ
第5章 幸せをどう測るのか?
人生の満足度得点
満足度尺度の信頼性
満足度尺度の妥当性
自己報告の問題点
人生の満足度の測定と文化差

第6章 幸せの自己評価過程
何が自己評価に影響を与えるのか?
昔は良かった?
自己の成長
アクセス可能性
満足度の判断のスピード
感情経験の記憶
満足度の判断はトップダウンか、
       それともボトムアップか?

第7章 経済と幸福感
お金と幸せ
社会階級と幸せ
家のある人は幸せ?
所有物と幸せ
第8章 運と幸福感
適応能力
どう悲劇から立ち直るか?
悲劇への適応の個人差――運と遺伝子
第9章 結婚と幸福感
何が結婚生活の満足度を予測するか?
愛は盲目?
夫婦の満足感
夫婦のコミュニケーション
満足度の衰退

第10章 友人関係と幸福感
幸せの進化論
「浅く広い」関係の強み
友人関係の性差、文化差、個人差

第11章 性格と幸福感
幸せは遺伝?
性格と幸福感
目標達成と幸せ
一貫性と幸福感
他人との比較は、幸福の毒
知覚と幸福感
チョイスと幸福感
感謝の気持ち

第12章 幸せになるための介入
感謝介入法
満喫すること
その他の幸せ介入法
幸せ介入――今後の課題
幸せになる薬?
第13章 幸せの効用?
幸せは役に立つのか?
幸せな人は稼ぐ?
幸せは結婚を呼ぶ?
幸せが健康へ?
幸せが長生きの秘訣?

第14章 最適な幸福度とは?
幸福感と学業成績
幸福感と対人関係
将来の年収が最も高い幸福度とは?
将来の恋愛関係に最適な幸福度とは?

第15章 幸せな社会とは?
理想の社会を求めて
幸せな国はどこ?
幸せな国の特徴
うまく機能しているコミュニティとは?

おわりに

事項索引
人名索引

ISBN:9784788511545
出版社:新曜社
判型:4-6
ページ数:238ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2009年05月
発売日:2009年05月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP