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貧困という監獄

グローバル化と刑罰国家の到来

著:ロイック・ヴァカン
訳:森 千香子
訳:菊池 恵介

紙版

内容紹介

日本でも、安全・安心街づくりの引き合いに出される「ゼロ・トレランス」。軽犯罪をも厳重に取り締まることで犯罪率が低下し、治安悪化を防ぐというこの考え方は、NY警察から世界中に広まり、本国アメリカでは逮捕者が急増、刑務所はパンク状態だそうですが、この政策は、労働市場の底辺層(下層階級や移民)が標的で、貧乏人には福祉手当ではなく監獄をあてがう(貧困を犯罪化する)方が国家予算を削減できて効率的という発想に支えられ、国家の社会福祉機能の脆弱さと表裏一体なのです。本書はこのような国家体制を痛烈に批判し、公の「社会的機能」創出の緊要性を喝破した、仏の大ベストセラーです。

目次

◆目 次◆
第一部 貧しきは罰せよ!
―ヨーロッパに上陸した新しい刑罰の「常識」
1 マンハッタン―新しい刑罰の理念の生産工場
2 「ゼロ・トレランス」のグローバル化
3 ロンドン―ネオコン・イデオロギーの中継地
4 ヨーロッパの輸入業者と広告代理店
第二部 刑罰国家への誘惑―米国に魅了されるヨーロッパ
6 アメリカの変貌―福祉国家から刑罰国家へ
6-1 刑務所人口の爆発的な増大
6-2 社会を覆う刑罰と監視の網
6-3 監獄政策―「大きな政府」が許される聖域
6-4 刑務所ビジネスの回帰と発展
6-5 「優先的」に投獄される黒人たち
監獄という名の貧困対策
7 ヨーロッパの刑務所の「お得意さん」
8 一望監視型社会にむかって
9 通貨統合の次は、警察と監獄の統合か?

訳者解説

ISBN:9784788511408
出版社:新曜社
判型:4-6
ページ数:212ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2008年12月
発売日:2008年12月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNF