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ナイトメア叢書 8

天空のミステリー

著:一柳 廣孝
著:吉田 司雄

紙版

内容紹介

人はなぜ、太古から空を飛ぶことを夢見てきたのか。田口ランディへのロングインタビューを筆頭に、神話や伝説、UFO・隕石などのオカルト・超常現象、宮崎駿作品、新海誠作品などを素材にして、天空を飛翔することへの憧れと恐怖のイメージ史を描き出す。

目次

「闇」への想像力をかきたてるために――「ナイトメア叢書」刊行にあたって

はじめに 吉田司雄

第1章 空とミステリー――田口ランディインタビュー
 空とミステリー――田口ランディインタビュー 聞き手:一柳廣孝
  1 スタートとしての『マアジナル』
  2 空と大地の夢想
  3 シンクロする物語
  4 「空」の思想

第2章 飛ぶ伝説たち
 異国遍歴、神隠し、妖術使い――江戸文学の飛行譚 佐藤至子
  1 異国遍歴
  2 神隠し
  3 妖術使い――天空を制するもの
 ハッサン・カンの須弥山めぐり――稲垣足穂、天空へのまなざし 高橋孝次
  1 天体嗜好症
  2 空中世界――飛行家への夢
  3 ハッサン・カンの須弥山めぐり
  4 天狗に取られて行きし山々
 カーゴ・カルト幻想――飛行機崇拝の物語とその伝播 橋本順光
  1 クラークの第三法則――「進化した科学技術は魔術と見分けがつかない」(一九七三年)
  2 失われた天地の絆の回復――凧揚げとインドのロープ・マジック
  3 カーゴ・カルトの逆輸入?――黙示録と飛行機

第3章 オカルトと空のあいだに
 ダニエル・ダングラス・ヒュームの空中浮揚 浜野志保
  1 ヒュームの空中浮揚
  2 空中浮揚は幻覚か
  3 浮揚する霊媒、浮遊する霊
 ツングース事件の謎――消えた落下物をめぐる物語 越野 剛
  1 ロシア・ソ連における展開
  2 日本での受容
 空中浮揚の宗教誌 住家正芳
 映画『未知との遭遇』はどこまで本当か──UFO映画の謀略史観 小中千昭
  1 いびつな映画の成立
  2 映画が先か、事件が先か
  3 退化していく映画

第4章 空飛ぶ怪異の現在
 地軸を狂わす飛翔――宮崎駿論 中山昭彦
 アガルタの青い空(ルビ:ブルースクリーン)――新海誠の二作品をめぐって 横濱雄二
  1 宇宙と地下
  2 卵殻と投影
  3 盲目であること

[連載]
書棚の隅に何かいる(第5回)
 夏は怪談――「週刊朝日夏季特別号 涼味と怪談 コドモのページ」 一柳廣孝
真夜中のセクシュアリティ(第7回)
 空の想像力へ――そして床下のアリエッティ 久米依子
  1 飛ぶ前のヒーローの時代
  2 空の想像力と床下の暮らし

ブックガイド 川崎公平/井上貴翔/横濱雄二/成田大典/諸岡卓真

著者略歴

著:一柳 廣孝
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教員。専攻は日本近代文学、日本近代文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』、編著に『オカルトの帝国』『「学校の怪談」はささやく』『心霊写真は語る』(いずれも青弓社)など。
著:吉田 司雄
1957年、東京都生まれ。工学院大学教員。専攻は日本近代文学、文化研究。編著に『探偵小説と日本近代』『オカルトの惑星』、共編著に『機械=身体のポリティーク』『映画の恐怖』(いずれも青弓社)、『ディスクールの帝国』(新曜社)など。

ISBN:9784787292049
出版社:青弓社
判型:A5
ページ数:176ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2012年01月
発売日:2012年01月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ