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ナイトメア叢書 5

霊はどこにいるのか

編著:一柳 廣孝
編著:吉田 司雄

紙版

内容紹介

生者と死者の境界線を揺るがす霊は、存在の真偽をめぐる論争がたびたび巻き起こる一方で、多様な文化に侵食して恐怖のシンボルとして語られてきた。加門七海インタビューをはじめ、映画やテレビ、心霊スポットなどに現れる霊を批評して、その居場所を探る。

目次

「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝

はじめに 一柳廣孝

第1章 霊の居場所を聞いてみる──加門七海インタビュー
 霊の居場所を聞いてみる──加門七海インタビュー 聞き手:一柳廣孝/吉田司雄
  1 『うわさの人物』とスピリチュアルブーム
  2 霊はどこにいるのか
  3 スピリチュアルブームの内実
  4 インスタント化する非日常
  5 二つの「おそれ」
  6 「加門七海」の誕生
  7 魔方陣から怪談へ
  8 地雷原を走る

第2章 霊の現代
 霊的世界観を説く理由──飯田史彦と「生まれ変わり」の生きがい論 島薗 進
  1 飯田史彦の宣布・表現活動
  2 『生きがいの創造』と霊的世界観
  3 『生きがいの創造』のメッセージ
  4 『生きがいの創造』以後の展開
 データベース化する心霊──「霊」のいる場所と「私」のいる場所 木原善彦
  1 幽霊写真と心霊写真
  2 霊性写真の時代
  3 カーニヴァル化する「私」
  4 断言する占い師
 映画に憑く写真、テレビに憑く写真──心霊写真の現在形 前川 修
  1 心霊映画に憑く心霊写真──死後の心霊写真
  2 ビデオに憑く心霊写真
  3 テレビに憑く心霊写真
 心霊スポットに見るトポス──霊的磁場に作用するまなざし 金子 毅
  1 消費される心霊スポット
  2 トポスとしての心霊スポット
  3 権力関係と心霊スポット

第3章 霊のいる風景
 霊のいるトコロ 石井研士
  1 擬似科学化するテレビ
  2 大衆・テレビ・オカルト
  3 一九七四年の衝撃
 鉄道と心霊──線路は続くよどこまでも 山口俊雄
  1 鉄道トンネル
  2 踏切、飛び込み
  3 文学に現れた鉄道と心霊
  4 諸関係の束としての鉄道
  5 鉄道の隠された半面
 陰陽眼の少女──現代台湾の鬼の噂 伊藤龍平
  1 風水と学校の怪談
  2 女子寮の怪異
  3 八字が軽い人
  4 鬼が見える人生

第4章 歴史のなかの霊
 モノノケの八世紀 津田博幸
  1 「鬼」と「もの」
  2 死霊の「気」
  3 死霊の憑依
  4 モノノケの姿
 怨霊と亡霊と──〈亡霊〉に取り憑かれた軍記物語 高木 信
  1 御霊神誕生の裏面
  2 親しき者と死者の関わり
  3 アンタッチャブルな〈亡霊〉
  4 軍記物語と怨霊
 近世民間伝承の幽霊──仏教と怪談のはざまで 堤 邦彦
  1 江戸怪談の宗教環境
  2 母幽霊の哀話
  3 産死婦の供養
  4 財物への執着
  5 死霊はどのように弔われたか
  6 因縁なき幽霊の登場
  7 そして都市伝説への流路

[連載]
書棚の隅に何かいる(第2回)
 新聞記者が見た「千里眼事件」──薄井秀一『神通力の研究』 一柳廣孝
オカルト・アカデミックス(第1回)
 『シンセミア』論序説 吉田司雄

第5章 霊を識る

ブックガイド 川崎公平/横濱雄二/井上貴翔/諸岡卓真/成田大典

著者略歴

編著:一柳 廣孝
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教員。専攻は日本近代文学、日本近代文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』、編著に『オカルトの帝国』『「学校の怪談」はささやく』『心霊写真は語る』(いずれも青弓社)など。
編著:吉田 司雄
1957年、東京都生まれ。工学院大学教員。専攻は日本近代文学、文化研究。編著に『探偵小説と日本近代』、共編著に『機械=身体のポリティーク』『映画の恐怖』『幻想文学、近代の魔界へ』(いずれも青弓社)、『ディスクールの帝国』(新曜社)など。

ISBN:9784787291837
出版社:青弓社
判型:A5
ページ数:244ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2007年12月
発売日:2007年12月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VXP