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クラシック反入門

編著:許 光俊
編著:鈴木 淳史
編著:梅田 浩一

紙版

内容紹介

クラシックは艱難辛苦の果てにしか理解できないのだ! 時空を超えた価値があるクラシックを本当に自分のものとしてわかるためには最低限の知識を身につけろ! 甘口の入門書では神髄はつかめない! 「反入門」を標榜する特異な入門書。

目次

最初に クラシックは「暗死苦」だ! 許 光俊

第1章 クラシックはめんどくさい!
 クラシックは我慢して聴け!――「さわり」ではわからない長~い音楽の理由
  「音楽」を聴くのは、時間との戦いだ
  バッハ『ミサ曲ロ短調』
  ベートーヴェン『ミサ・ソレムニス』
  ベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲ニ長調』
  ベルリオーズ『劇的物語「ファウストの劫罰」』
  ブラームス『ピアノ協奏曲第二番』
  ワーグナー『ニーベルングの指環』全曲
  ショスタコーヴィチ『交響曲第七番「レニングラード」』
  メシアン『トゥランガリーラ交響曲』
  マーラー『交響曲第三番ニ短調』
 知識がなくてわかるものか!
  『モーゼとアロン』を理解するならブーバーを読みなさい――ユダヤ
  『千人の交響曲』を理解するには『ファウスト』とショーペンハウアーを読みなさい――ファウスト伝記
  ウェーベルン『交響曲』を理解するには『抽象芸術論』を読みなさい――十二音技法
  変奏曲を理解するなら哲学的思考を身につけなさい――変奏曲
  ソナタ形式を理解するためには十九世紀のドイツの哲学思潮を学びなさい――ソナタ形式
 下々の者はあっちに行きなさい!
  貴族の音楽――ハイドン
  サロン音楽――ショパン
 近所迷惑必至の大音量音楽
  R・シュトラウス『アルプス交響曲』
  ハチャトゥリアン『交響曲第三番』
  ベルリオーズ『レクイエム』
  ヴィドール『オルガン交響曲』(全十曲)
  ストラヴィンスキー『春の祭典』
  西村朗『二台のピアノと管弦楽のための「ヘテロフォニー」』

第2章 クラシックが明るくてたまるか!
 暗い音楽で気が滅入るぜ!
  シューベルト『冬の旅』
  マーラー『交響曲第九番ニ長調』
  シベリウス『交響曲第四番イ短調』
  オネゲル『交響的運動(楽章)第一番「パシフィック231」』
  ベルク『ヴォツェック』
  ブリテン『ピーター・グライムズ』
  ショスタコーヴィチ『弦楽四重奏曲第十五番変ホ短調』
 作曲家の病的な妄想に付き合え!
  ベートーヴェン『交響曲第三番変ホ長調「英雄」』
  シューマン『謝肉祭』 
  ベルリオーズ『レリオ、あるいは生への回帰』
  ワーグナー『パルジファル』
  マーラー『交響曲第十番』
 このしつこさには辟易!
  バッハ『無伴奏チェロ組曲』
  ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ第二十九番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」』
  R・シュトラウス『アルプス交響曲』
  リスト『ファウスト交響曲』
  パガニーニ『二十四のカプリース』
  ブルックナー『交響曲第三番ニ短調』
  シェーンベルク『グレの歌』

第3章 オペラは異常者の祭典だ!
 この主人公、異常者だよ!
  ワーグナー『さまよえるオランダ人』
  R・シュトラウス『エレクトラ』
  ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』
 悩むヤツこそ主人公!
  ヴェルディ『オテロ』
  ワーグナー『タンホイザー』
  ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』
 女の欲望万歳!
  モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』――欲望は美しい!
  ビゼー『カルメン』/R・シュトラウス『サロメ』――欲望は神々しい!
  ヴェルディ『ドン・カルロ』/ラモー『カストールとポリュックス』――脇役の悲しき欲望
  ショスタコーヴィチ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』――欲望が聖なるものになる瞬間

第4章 作曲家はヤバイ人?
 作曲家はオタクだ!
  バッハ『フーガの技法』
  ベートーヴェン『ディアベッリ変奏曲』
  レーガー『B-A-C-Hの主題による幻想曲とフーガ』『序奏とパッサカリアとフーガ』
 この作曲家、もしかしてバカ?
  ベートーヴェン『フィデリオ』
  ヴォーン・ウィリアムス『南極交響曲』
  R・シュトラウス『家庭交響曲』
 この作曲家、もしかして情緒不安定?
  チャイコフスキー『交響曲第四番へ短調』
  マーラー『交響曲第七番ホ短調「夜の歌」』
 大作曲家の恥ずかしい過去。ワタシだって愚作を書いています
  ベートーヴェン『ウェリントンの勝利』
  チャイコフスキー『一八一二年』

コラム
「意味」がなけりゃ意味ないか?

第5章 作曲はステキな商売!
 アイデアひとつで一丁上がり!
  ケージ――偶然性の音楽
  アンダーソン『タイプライター』ほか
  ハイドン『交響曲』
  レオポルト・モーツァルト『おもちゃの交響曲』
  ヨハン・シュトラウス――『ウィーン気質』
 困ったら「過去」に戻れ!
  レスピーギが「過去」から学んだものは?
  ブラームスは「古典」がお好き!
  「青春」は誰にとっても、永遠の宝石箱?
  「ロマン主義」の行き詰まり打破の戦略?

コラム
音盤の曲目構成、その今昔物語 

第6章 演奏家は………
 ワタシは作曲家として認められたいのじゃ!――演奏だけでは満足できない欲張り君たち
  「作曲家」? それとも「演奏家」? 
  「作曲家」として認められたかった?人々
  作曲家になろうと「欲張らなかった人」もいた?
  「演奏家は余技」という人のすごさ
 簡単にわかってたまるか!――通好みの演奏家はこれだ!
  「簡単にわからない演奏」とは?
  ロザンタールのラヴェル、ドビュッシー、サティ
  グーセンスのストラヴィンスキーとヴィラ=ロボス
  ゴルシュマンとデゾルミエールと、ロシアバレエ団

コラム
クラシック入門書の宿命

あとがき 鈴木淳史

著者略歴

編著:許 光俊
1965年、東京都生まれ。慶應義塾大学教授。著書に『コンヴィチュニー、オペラを超えるオペラ』『オレのクラシック』『クラシック批評という運命』(いずれも青弓社)、『生きていくためのクラシック』(光文社)、共著に『クラシック・スナイパー』シリーズ、『絶対!クラシックのキモ』『究極!クラシックのツボ』『クラシック、マジでやばい話』(いずれも青弓社)、『クラシックCD名盤バトル』(洋泉社)、など。
編著:鈴木 淳史
1970年、山形県生まれ。売文業。著書に『愛と妄想のクラシック』『クラシック悪魔の辞典』『萌えるクラシック』(いずれも洋泉社)、『不思議な国のクラシック』、共著に『クラシック・スナイパー』シリーズ(ともに青弓社)、など。
編著:梅田 浩一
1962年、山口県生まれ。クラシック音楽を中心とする音楽書の企画・編集、音楽誌などへの執筆を手がける。共著に『クラシック・スナイパー』シリーズ、『究極!クラシックのツボ』『絶対!クラシックのキモ』(いずれも青弓社)、など。

ISBN:9784787272621
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:192ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2009年04月
発売日:2009年04月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AV