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青弓社ライブラリー 90

ニュータウンの社会史

著:金子 淳

紙版

内容紹介

高度経済成長期、「理想」や「夢」と結び付いて人びとの「憧れ」とともに注目を集めたニュータウン。50年を経て、現在は少子・高齢化や施設の老朽化の波が押し寄せている。日本最大規模の多摩ニュータウンを中心にその軌跡をたどり、地域社会の変貌を描き出す。

目次

まえがき

第1章 病理と郊外──社会の「鏡」としてのニュータウン
 1 なぜ、いまニュータウンか
 2 ニュータウンの「病理」
 3 ニュータウンとは何か
 4 「社会史」としてのニュータウン

第2章 開発と葛藤──多摩ニュータウンの成立と地域社会
 1 多摩ニュータウン計画の成立過程
 2 開発をめぐる地域社会の葛藤
 3 地域社会での開発の受容過程
 4 開発による地域産業の変容
 5 開発と農業の共存をめぐる運動

第3章 実験と抵抗──多摩ニュータウンという「実験都市」
 1 陸の孤島と実験都市
 2 都市計画の実験
 3 住宅の実験
 4 “初期不良”に抗する「暮らしの実験」

第4章 移動と定住──ニュータウンの住環境
 1 「住宅双六」と居住地移動
 2 “住みやすい”のに“住みにくい”
 3 居住空間の快適化
 4 「住宅双六」というゲームの終焉

第5章 断絶と継承──歴史をつなぐ語りの実践
 1 開発前/開発後の感覚的な断絶
 2 挫折の語り/武勇伝の語り
 3 歴史を仲立ちとした地域社会の再編
 4 呼び起こされる「古層」
 5 歴史としての「新層」

参考文献一覧

あとがき

著者略歴

著:金子 淳
1970年、東京都生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修了。多摩市文化振興財団(パルテノン多摩)学芸員、静岡大学准教授を経て桜美林大学准教授。著書に『博物館の政治学』(青弓社)、共著に『歴史と向きあう社会学――資料・表象・経験』『よくわかる都市社会学』(ともにミネルヴァ書房)、『過熱と揺らぎ』(大月書店)、『東京スタディーズ』(紀伊國屋書店)ほか。

ISBN:9784787234278
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2017年11月
発売日:2017年11月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQS