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青弓社ライブラリー 63

家族と格差の戦後史

一九六〇年代日本のリアリティ

編著:橋本 健二

紙版

内容紹介

「昭和30年代」がブームになり、ノスタルジックな商品・消費はもはや定着したといっていい。しかし、当時の現実はどのような社会状況だったのだろうか。1965年SSM調査の貴重なデータを使って、当時の家族の実態や格差のありようを浮き彫りにする。

目次

はじめに──よみがえる一九六〇年代の家族と生活 橋本健二

第1章 一九六五年の日本──社会背景と問題の所在 橋本健二
 1 人口と経済
 2 経済格差と貧困
 3 政治と社会
 4 大衆文化にみる世相
 5 データの作成手続きと構成
 6 階級─社会階層カテゴリー
 補遺──一九六五年SSM調査「家族・兄弟データ」の統計的性格

第2章 激変する社会の多様な就業構造 橋本健二
 1 転換する経済構造
 2 低い失業率と「全部雇用」
 3 各世帯類型の就業状態と生活水準
 4 階級所属からみた世帯の就業構造
 5 家族就業の構造
 6 過渡期の就業構造

第3章 三丁目の逆光/四丁目の夕闇──性別役割分業家族の布置と貧困層 仁平典宏
 1 夕日のなかの一九六五年
 2 枠組みと類型
 3 家族類型の基本像
 4 「四丁目」の貧困へ

第4章 転換期における女性の就業 元治恵子
 1 女性をめぐる社会状況
 2 女性をめぐる就業状況
 3 世帯類型からみた女性の階級構造と就業構造
 4 階級所属からみた女性の就業構造
 5 夫婦間、父娘間の職業の関係

第5章 独身男の肖像 小暮修三
 1 一九六五年SSM「兄弟データ」と結婚をめぐる時代状況
 2 独身男の群像──所属階級・出身階級・学歴別にみた独身男の全体像
 3 独身男の肖像──各年齢層における階級グループ別にみた独身男の特徴

第6章 戦後社会にみる戦争の影響 佐藤 香
 1 戦争が残したもの
 2 職業キャリアにみる戦争の影響
 3 昭和三十年代に描かれた戦争の影
 4 家族からみた戦争の影響

第7章 社会階層における前近代と近代 橋本健二
 1 社会階層概念の困難
 2 前近代と近代の共存
 3 族籍と所属階層
 4 地主と小作の社会移動
 5 社会階層の古層

著者略歴

編著:橋本 健二
1959年、石川県生まれ。武蔵大学教授。専攻は理論社会学。著書に『「格差」の戦後史』(河出書房新社)、『新しい階級社会 新しい階級闘争』(光文社)、『階級社会』(講談社)など。

ISBN:9784787233080
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:234ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2010年01月
発売日:2010年01月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB