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音楽空間の社会学

文化における「ユーザー」とは何か

著:粟谷 佳司

紙版

内容紹介

私たちユーザーは音楽をどのように聴き、生活のなかでいかに使っているのか。ラジオやインターネットなどのメディアによって立ち上がる社会空間と音楽の関係をカルチュラル・スタディーズの知見と多様な事例から読み解き、「音楽空間」の内実に迫る文化論。

目次

はじめに

第1章 社会空間、メディア、文化
 1 社会空間
 2 メディアの社会空間
 3 マクルーハンのメディア論
 4 文化とテクノロジー
 5 グローバル空間
 6 社会空間での「空間的実践」「空間の表象」「表象の空間」
 7 空間での日常的実践
 8 レイモンド・ウィリアムズと文化
 9 「社会空間」での「ユーザー」へ

第2章 メディア空間でのオーディエンス
 1 ポピュラー音楽をめぐって
 2 アドルノのポピュラー音楽論
 3 ポピュラー音楽とメディア
 4 オーディエンス論の展開――「コード化/読解」モデル
 5 オーディエンスの再構成、ユーザーの空間

第3章 サイバースペース、テクノロジー、ユーザー
 1 サイバースペース、ボードリヤール、社会理論
 2 オープンな空間
 3 テクノロジー、協働

第4章 アーティキュレーションとアイデンティティ
 1 アーティキュレーションとアイデンティティの問題
 2 アルチュセール
 3 重層的決定の問題
 4 ヘゲモニーとアーティキュレーション
 5 カルチュラル・スタディーズとアーティキュレーション

第5章 文化とアイデンティティの諸問題
 1 ポストモダンと表象
 2 カルチュラル・スタディーズにおける表象の問題
 3 文化的アイデンティティとディアスポラ
 4 文化的アイデンティティの考察のために

第6章 音の空間とアイデンティティ――カリバーナ
 1 政策と文化の間――カナダのマルチカルチュラリズム
 2 マルチカルチュラリズムの政治過程
 3 トロントのカリビアン・ディアスポラの実践、カリバーナをめぐって
 4 カリバーナの空間

第7章 震災復興とメディア――メディア空間としてのコミュニティFM
 1 阪神・淡路大震災と神戸の状況
 2 メディアの生成と展開――FMわぃわぃ
 3 ネットワークとしてのFMわぃわぃ
 4 コミュニティ・メディアの空間

第8章 音楽空間としての「つづら折りの宴」――その生成と展開
 1 うたの空間の生成と展開
 2 ソウル・フラワー・モノノケ・サミットと「つづら折りの宴」について
 3 音楽が意味するもの
 4 インターネットにおける「ユーザー」の空間
 5 音楽空間、メディア、ユーザー

おわりに
あとがき

著者略歴

著:粟谷 佳司
1968年、大阪府生まれ。同志社大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程満期退学。関西大学、大阪産業大学などで非常勤講師。専攻は社会学、メディア文化研究。共著に『ポピュラー音楽へのまなざし』(勁草書房)、『メディア時代の広告と音楽』(新曜社)、『ケータイ研究の最前線』(慶應義塾大学出版会)など。

ISBN:9784787232892
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:216ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2008年07月
発売日:2008年07月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVA