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青弓社ライブラリー 50

スポーツする身体とジェンダー

著:谷口 雅子

紙版

内容紹介

男女が別々に競技する現代スポーツでは、「男女別競技の撤廃」対「男女の身体能力差は考慮すべき」という対立がある。その前提である男女別競技が日常化する歴史的過程をスポーツの近・現代受容史から探り、優劣にとらわれないジェンダーの可能性を照らす。

目次

はじめに

第1章 ジェンダーという問題系
 1 バックラッシュにさらされるジェンダー論の現在
 2 ジェンダーは何を問題としてきたのか

第2章 規範としてのジェンダー
 1 ジェンダーは規範として語りうるか
 2 身体・権力・ジェンダー
 3 なぜスポーツを対象とすることが有効か

第3章 明治から大正期のスポーツとジェンダー
 1 「スポーツ=遊戯」における規範の生産の必要性
 2 校友会という共同体
 3 近代スポーツの受容史にみるジェンダー
 4 ジェンダー言説はなぜ受容を促されたのか
 5 スポーツのなかでのジェンダーの自明化

第4章 第二次世界大戦後から一九七〇年代のスポーツとジェンダー
 1 戦後のスポーツ事情
 2 「東洋の魔女」にみる戦後スポーツとジェンダー
 3 性別役割分担というあり方とスポーツ
 4 能動?受動役割の分離による戦後スポーツの秩序形成

第5章 現在のスポーツとジェンダー
 1 スポーツにおけるジェンダーの変化
 2 ジェンダーの変化に対する論じられ方
 3 スポーツの「平等」言説の限界
 4 ジェンダー言説はなぜ受容を妨げられるのか
 5 スポーツとジェンダーのこれからに向けて

第6章 スポーツにみる優劣を超えたジェンダーの可能性
 1 現在のジェンダー論の困難
 2 「らしさ」の肯定と規範としてのジェンダー
 3 規範としてのジェンダーの生成プロセス
 4 ジェンダー共有の変遷
 5 受容・受動の力に注目した関係性とスポーツ
 6 これからのジェンダーの可能性について
 7 優劣を超えた身体・スポーツ・ジェンダー

おわりに

著者略歴

著:谷口 雅子
神戸大学教育学部卒業、奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)学位取得。これまでに、京都YMCA国際福祉専門学校、立命館大学産業社会学部、立命館大学法学部などで非常勤講師を経験。共著に『ブルマーの社会史』(青弓社)、『スポーツファンの社会学』(世界思想社)など。

ISBN:9784787232779
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:204ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2007年10月
発売日:2007年10月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC