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復刊選書 10

巫女の民俗学

〈女の力〉の近代

著:川村 邦光

紙版

内容紹介

口寄せを通して死者と生者の「いのち」を結ぶ盲目の巫女オガミサマ。民俗社会で形成された巫女の習俗=民間信仰が近代の歴史的文脈のなかで変容していく過程をたどり、巫女の個人史もつむぎながら、その社会的・文化的な意味を解読する。

目次

序──ボルヘスの闇とことば

I 巫女の現在
エスノグラフィーへ向けて/巫女たちの現状

II 近代日本における巫女
盲人の近代/文明開化と「迷信」/巫女の近代

III 盲人結社とネットワーク
大和宗の来歴/巫女縁起と結社/巫女のネットワーク

IV 巫女のライフヒストリー
岩ヶ崎のオカミン・阿部まつみ巫女/小鯖のオガミサマ・小野寺さつき巫女

V 盲目をめぐるイデオロギー
盲目、女性、巫女/通俗的因果応報論の世界/「一人前」の社会

VI 巫女への水路
「卑賤」の眼ざし/ザルマワシと「商売」/盲目性と「一人前」

VII カミツケ儀礼の戦略
〈おんな〉になる前──巫女への要件/〈おんな〉になる──カミツケ儀礼の分析/〈ひと〉〈おんな〉になる

VIII 死者/巫女の語り──口寄せの時空間
死者を包摂する社会/口寄せのプラクティス/スティグマとカリスマ/「梓の声」を聴く──口寄せの場(1)/死者への配慮──口寄せの場(2)/語りと〈いのち〉の思想/おわりに──語りのワンダーランド

あとがき

著者略歴

著:川村 邦光
1950年生まれ。大阪大学教授。専攻は宗教学・近代文化史。著書『幻視する近代空間』『憑依の視座』(ともに青弓社)、『オトメの行方』(紀伊國屋書店)、『性家族の誕生』(筑摩書房)、『〈民俗の知〉の系譜』(昭和堂)、編著『戦死者のゆくえ』(青弓社)ほか。

ISBN:9784787232656
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:200ページ
定価:2000円(本体)
発売日:2006年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC