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国際紛争のメディア学

著:橋本 晃

紙版

内容紹介

繰り返される「戦争とメディア」論が見落としていた「権力の代弁者としてのメディア」の性格をあぶり出し、ヴェトナム戦争以降の限定戦争と「メディア統制=プロパガンダ」の実態を浮き彫りにする。理論と実践を往還して解明する「戦争とメディア」論入門。

目次

はじめに

序 変わらぬものと変わりゆくもの──変化はどこから

第1章 権力の代理人としてのジャーナリスト
 1 最初の新聞、最初のジャーナリストたち
 2 情報と政治の中世
 3 メディア革命、その利用と統制
 4 ジャーナリズムとマスメディアの「分離の崩壊」

第2章 ナショナリズムの台頭とメディア
 1 ナショナルなるものと軌を一にして発展
 2 ナショナル・ニュースエージェンシーと世界分割
 3 情報主権と新世界情報通信秩序
 4 「われわれの戦争」から九・一一、イラク戦争の熱狂へ

第3章 総力戦とメディア
 1 戦争に深く魅入られて
 2 第一次世界大戦の衝撃
 3 権力行使過程としての政治コミュニケーション
 4 総力戦・効果研究パラダイムの成立へ

第4章 限定諸戦争とメディア
 1 分析の枠組みづくりに向けて
 2 アクセス分析
 3 検閲分析
 4 プロパガンダ分析

第5章 総力戦の文化と限定戦争の政治的現実
 1 限定戦争概念のさらなる限定化
 2 グローバル化、CNN効果と「見える戦争」
 3 テクノロジーの進展、軍事革命(RMA)と「見えない戦争」
 4 パブリックリレーションズ技術の政治応用と「見せる戦争」
 5 メディア、権力、オーディエンス

第6章 デジタルメディア革命と戦争、メディア
 1 インターネットと戦時メディア統制、プロパガンダ
 2 インターネットと戦争報道
 3 インターネットがつくりだす情報空間
 4 「信頼に足る瞬間」と「大いなるいま」

第7章 欧州統合の実験とメディア
 1 統合の深化とメディア
 2 統合の拡大とメディア
 3 対米ナショナリズムと停滞、迷走
 4 国家の枠組みを超えた共同体・公共奉仕へ

追記 コソボ戦争取材から
 1 戦火のベオグラードで
 2 メディアに固有の力をたのんで

資料 主要な限定戦争の概要

おわりに

著者略歴

著:橋本 晃
1958年、栃木県足利市生まれ。東京大学仏文科卒。アイオワ大学M.A.(ジャーナリズム)。毎日新聞社パリ特派員、北海道大学助教授、オックスフォード大学およびデンマーク・ジャーナリズム大学客員研究員などを経て、現在、東京国際大学国際関係学部助教授。専門はジャーナリズム、マス・コミュニケーション研究。共著に『従軍のポリティクス』(青弓社)、『グローバル社会とメディア』(ミネルヴァ書房)、『論争 いま、ジャーナリスト教育』(東京大学出版会)など。

ISBN:9784787232571
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2006年04月
発売日:2006年04月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTP2