青弓社ライブラリー 41
浮遊する「記憶」
著:矢野 敬一
著:木下 直之
著:野上 元
紙版
内容紹介
個人的なものでありながら、社会を結合させ分断させる記憶。その記憶をめぐる言説空間には何が立ち上がってくるのだろうか。記憶をめぐる問題群を多様な視点から検証し、私たちを揺さぶり、私たちに揺さぶられる記憶の政治性を照らし出す論考集。
目次
はじめに 金子 淳
第1章 祖先と記憶をめぐる政治と知の編成──国民道徳論と柳田国男 矢野敬一
1 一冊の絵本から
2 国民道徳論の展開と祖先の位置付け
3 祖先をめぐる記憶の再編成
4 祖先をめぐる知の展開──柳田国男と祖霊信仰論
第2章 上野戦争の記憶と表象 木下直之
1 なぜ上野なのか
2 碧血碑
3 官軍墓地
4 創建神社
5 上野公園
6 上野パノラマ館
第3章 「戦争の記憶」の現在 野上 元
1 「戦争体験」と「戦争体験記」との間
2 「戦争の記憶」の継承と断絶
第4章 地域の記憶──異質性と均質性の間で 福田珠己
1 選択された地域の記憶──沖縄県八重山郡竹富島の事例から
2 記憶は誰のものか──アメリカ・シラキュース市における地域像形成をめぐって
3 異質性と均質性の間で
第5章 記憶から歴史へ/歴史から記憶へ 阿部安成
1 戦争
2 直弼
3 震災