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青弓社ライブラリー 1

東京ディズニーランドの神話学

著:桂 英史

紙版

内容紹介

「富士山信仰」「ユートピア思想」「アメリカニズム」「郊外のポリティクス」などを手がかりに、東京ディズニーランドという現象、日常生活の虚構を読み解く渾身の日本文化論。ディズニーランドはなぜ海の近くにあるのか? 日本人はそこに何を求めているのか?

目次

第1章 東京ディズニーランドと富士山
 1 東京と東京ディズニーランド
 2 「未開の地」浦安
 3 富士山という遠近法
 4 霊峰「富士」
 5 「ひがしのみやこ」
 6 民衆信仰の固有性
 7 「海外」という消失点
 8 「他者の発明」にはじまる知識社会
 9 「生活の技術」としての東京ディズニーランド

第2章 余暇とユートピア思想
 1 東京ディズニーランドの休日
 2 余暇のポリティクス
 3 「小さな専制国家」としてのディズニーランド
 4 「アメリカの原風景」をめぐる実験
 5 「フロンティア」という消失点
 6 自然という他者の発見
 7 フィクションとしての「個人」
 8 風景となった家族とその日常
 9 光と西方としての映画
 10 余暇という過激な虚構

第3章 東京改造物語
 1 永遠の復興経済
 2 アメリカニズムの実験室
 3 ダーウィニズム型社会主義
 4 「一戸」の発明
 5 東京改造
 6 東京という御神体
 7 「国土計画」という土地の情報化
 8 「一戸」と「国土」

第4章 「郊外」のポリティクス
 1 通勤電車が街をつくる
 2 沿線郊外型家族の誕生
 3 「家族連れ」というパノラマ的想像力
 4 子どもとペット
 5 「西洋」をめぐるエディプス・コンプレックス
 6 私生活の資本化
 7 森林都市の欺瞞
 8 「新興中流階級」というコミュニケーション・モデル
 9 「おしゃべり」としての都市論
 10 「中流イベント」としてのディズニーランド

第5章 日常生活のなかの虚構と現実
 1 天国の住人
 2 芝生は緑
 3 「周辺化」をめぐって
 4 匿名性の高いシミュレーション
 5 巨大な死
 6 倫理的な基準としての「東京ディズニーランド」

参考文献

あとがき

著者略歴

著:桂 英史
1959年、長崎県生まれ。1986年、図書館情報大学大学院修了。富士ゼロックス情報システム、ピッツバーク大学客員研究員、文部省・学術情報センター助手を経て、94年から東京造形大学助教授。著書に、『メディア論的思考──端末市民の連帯責任とその深層』(青弓社)、『図書館建築の図像学』(INAX)、『インタラクティヴ・マインド──近代図書館からコンピュータ・ネットワークへ』(岩波書店)、『20世紀のメディア3──マルチメディアの諸相とメディアポリティクス』(共編著、ジャストシステム)、『司馬遼太郎をなぜ読むか』(新書館)など。

ISBN:9784787231635
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:1999年
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNSG