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闇の博物誌

著:山口 椿

紙版

内容紹介

一塊の肉と化した屍体の群舞、アヘン中毒者の阿鼻叫喚、残虐きわまる拷問刑罰の歴史──。美麗と醜悪、此岸と彼岸の境界に潜むこの世のダークサイドを、アンダーグラウンドの白眉が硬質の水晶体で透徹する、哄笑と哀惜の一大博物誌。

目次

1 屍体のための前奏曲(プレリュード)(1)輪舞する屍体たち  死の復権/生きている死者/変わりゆく屍体(2)蠱惑する屍体たち  死してなお女は嗤う/臓器愛しや2 小夜曲風猟奇犯罪実話(1)情話の中の情話  第一話 娼楼の女1 /第二話 紅楼の寡婦/第三話 美貌の男娼/第四話 哀話・拷問と凌辱の果て/第五話 娼楼の女2 /第六話 娼楼の女3 /第七話 木の葉は森に、首は──に?(2)彼岸は呼ぶ・自殺秘話  第八話 内向する熱情/第九話 後朝の別れ/此岸と彼岸3 死の舞踏・阿片楽園(ハシーシュ・パラダイス)  流民と亡者/アヘン公国/天国と地獄/終焉4 実証・解剖学(アナトミー)(1)解剖実例  断末魔の逆襲(2)解剖実践  内臓と臓物/脳・卑賤と崇高/汚穢とロマン1 /汚穢とロマン2 5 東西慙紅葉汗顔見勢(とうざいはじもみじあせのかおみせ)  ギロチン/軍隊/拷問台の考案/殉教・虚構と陶酔の構造1 /電気殺/衰微する諫死/鞭刑/晒し刑/殉教・虚構と陶酔の構造2 /拷問ア・ラ・カルト6 舞曲(サラバンド)・異端(エレジー)とテクノロジー(1)小咄・現代鳥瞰図  アイラの肖像/ほとばしり&破砕/創傷の分類学/無機と有機の戯画/ミクロの凌駕(2)視ルコトハ麗シキカナ  倒錯画の系譜/四足の祝祭/覗きの文化7 終曲・大殺戮狂詩曲(ジェノサイド・ラプソディー)(1)人ミナヒトシナミニ業深シ  歴史はめぐる/呪誼と鎮魂あとがき

著者略歴

著:山口 椿
1931年、東京・神田三崎町生まれ。作家、画家、チェリスト。著書『闇の博物誌』『ブリミアーナ』『ドラッグストア』『死の舞踏』(いずれも青弓社)、『ロベルトは今夜』『雪香ものがたり』『ナージャとミエーレ』『恋寝刃地獄聞書』(いずれもトレヴィル)、『夜想30 枕絵』(ペヨトル工房)ほか。

ISBN:9784787230508
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:212ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:1992年