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電波・電影・電視

現代東アジアの連鎖するメディア

著:三澤 真美恵
著:川島 真
著:佐藤 卓己

紙版

内容紹介

戦後東アジアの視聴覚メディアは、地域間・メディア間で相互に連関しながら成熟していった。日本・上海・北朝鮮・韓国・台湾・シンガポールなどのテレビ・映画・ラジオ・レコードの変遷を膨大な史料から丁寧に描き、視聴覚メディア史の見取り図を提示する。

目次

序 三澤真美恵/川島 真/佐藤卓己

第1部 日本

第1章 「教育型」テレビ放送体制の成立 佐藤卓己
 1 NHKだけが「教育テレビ」ではない
 2 テレビ放送の長い前史
 3 「文化国家」のナショナリズム
 4 一億総中流意識を生んだ「教育テレビ」
 5 民放教育局の消滅と新聞社による系列化

第2章 戦後日本映画史における「満洲」人脈――「視聴覚教育」と東映教育映画の場合 赤上裕幸
 1 満鉄出身の「視聴覚教育」編集長・宮永次雄
 2 十六ミリのスペシャリスト・赤川孝一
 3 満州映画協会から東映教育映画部へ

コラム スポーツ・イベントから見る東アジア 山口 誠

第2部 上海

第3章 上海におけるテレビ放送開始への経緯――中華人民共和国の初期電視事業の一例として 川島 真
 1 中国の電視事業
 2 上海のテレビ事業の準備段階――一九五六―五七年
 3 上海でのテレビ放送開始へ向けて――一九五八年

第4章 上海人民広播電台と新中国のラジオ放送――革命と政治動員 孫安石
 1 上海人民広播電台初期の組織と番組――革命を伝播せよ!
 2 上海人民広播電台と「人民」の交流――『聴衆服務』番組
 3 一九五二年以降の上海人民広播電台――大衆を組織せよ!

第5章 “退廃的音楽”との戦い――抗日戦争後の国民政府による上海レコード業界に対する統制についての分析 葛濤[吉田衣里訳]
 1 「敵性レコード」の取り締まり
 2 レコードの統制とラジオのコントロールの結合
 3 「退廃的音楽」との戦いの始まり――レコードの統制による社会教化の意義
 4 「戡乱」と「解放」の際の上海レコード

第3部 台湾・香港・シンガポール

第6章 台湾における初期テレビ史の概況 三澤真美恵
 1 台湾におけるテレビ放送のはじまり
 2 テレビの普及と影響力の拡大
 3 テレビ関連法規と主管機関

第7章 “人々に娯楽を提供し、国民国家を形成する”――シンガポールにおける中国語放送研究について(一九四五―一九六九年) 容世誠/曹世明[森田健嗣/劉嘉芫訳]
 1 第二次世界大戦後の放送局とラジオ――「マラヤ放送局」と「麗的呼声」
 2 シンガポールのテレビ文化――国民国家形成とアジアネットワーク

第8章 冷戦期南管にみるメディア・地域の相互連関 王櫻芬[片倉健博訳]
 1 先行研究と材料
 2 ラジオ
 3 アモイ語映画

第9章 香港ニューウエーブの始まり――映画産業とテレビ産業の相互関係 卓伯棠[三澤真美恵訳]
 1 香港社会と経済状況
 2 熾烈な競争下のテレビ産業
 3 香港テレビ史上最大の戦い
 4 自社制作番組からフィルム制作のドラマシリーズへ
 5 許冠文(ルビ:マイケル・ホイ)のコメディーと映画
 6 映画とテレビの血縁関係

コラム 戦後の四大台湾語歌謡 貴志俊彦

コラム 二分された戦後香港映画人 貴志俊彦

第4部 韓国・北朝鮮

第10章 ソウルテレビ放送(KBS―TV)初期の組織文化の形成――オーラルヒストリーを通じた韓国放送史の語り直し 白美淑/姜明求/李星旻[小林聡明訳]
 1 新しい放送史を構成するためのオーラルヒストリー方法論
 2 ラジオ時代のなかでのソウルテレビの開局
 3 民間の放送人による国営テレビ開局準備――政治的功績としての開局
 4 テレビの機構と職制の開始――制作中心体制から放送管理体制への転換

第11章 家庭という領土の内と外で鳴るサウンド・オブ・ミュージック――冷戦期韓国におけるメディア化された音楽の空間性 申鉉準[李正熙訳]
 1 メディアと家庭の領土性――デイヴィッド・モーリーを超えて
 2 一九四五年以後の韓国の音楽メディアの歴史
 3 アメリカ軍基地によるメディエーション――キャンプショー、AFKN、海賊版レコード
 4 全国的マスメディアのメディエーションの形成と発展

第12章 北朝鮮テレビ放送史研究序説――一九六〇―七〇年代を中心に 小林聡明
 1 胎動期としての一九六〇年代
 2 基盤形成期としての一九七〇年代

コラム 冷戦のメディアとしてのUSIS映画 土屋由香

あとがき 三澤真美恵

索引

著者略歴

著:三澤 真美恵
1964年、大阪府生まれ。日本大学文理学部中国語中国文化学科教授。専攻は台湾近現代史・中国語圏映画史。著書に『殖民地下的〈銀幕〉』(前衛出版社)、『「帝国」と「祖国」のはざま』(岩波書店)、共著に『文化冷戦の時代』(国際書院)、『帝国の視角/死角』(青弓社)など。
著:川島 真
1968年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻はアジア政治外交史。著書に『近代国家への模索 1894-1925』(岩波書店)、『中国近代外交の形成』(名古屋大学出版会)、共編著に『戦争・ラジオ・記憶』(勉誠出版社)など。
著:佐藤 卓己
1960年、広島県生まれ。京都大学大学院教育学研究科准教授。専攻はメディア史・大衆文化論。著書に『現代メディア史』『「キング」の時代』(ともに岩波書店)、『言論統制』(中央公論新社)、『八月十五日の神話』(筑摩書房)、『テレビ的教養』(NTT出版)、『輿論と世論』(新潮社)など。

ISBN:9784787220493
出版社:青弓社
判型:A5
ページ数:376ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2012年10月
発売日:2012年10月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTC